2020年12月

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日本で最も絶滅の危険性が高い鳥のひとつである「オガサワラカワラヒワ」を守るため、オガサワラカワラヒワ保全計画作りワークショップ本大会が去る12月19日に開催されました。コロナ禍での開催となったため、関係者が現地に集まって議論することは出来ませんでしたが、地域住民、保全に取り組む専門家、自然環境保全に関わるNGOやNPO、行政関係機関など96名が参加しオンライン形式での開催となりました。域内保全・域外保全・共生社会のグループに分かれ、絶滅回避のための具体的なアクションプランが話し合われました。カワラヒワが利用する母島南部地域でのノネコの低密度化も重要課題の一つとしてあげられ、対応の強化が求められています。

https://ogasawara-kawarahiwa.jimdofree.com

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オガサワラカワラヒワのオス  写真:向 哲嗣

オガサワラカワラヒワは小笠原の固有種で、体長14cm、体重18g、雄は頭部の緑色が濃く、雌は褐色みが強い小鳥です。種子食で、種カワラヒワの他の亜種に比べ、体が小さく、くちばしが大きいのが特徴です。戦前は小笠原群島(聟島列島・父島列島・母島列島)と火山列島に広く分布していましたが、現在は母島列島の無人の属島(向島•姉島•妹島•姪島•平島)と南硫黄島でしか繁殖しておらず、個体数はここ20年の間に激減し現在では300個体以下と推定され、絶滅の危険が非常に高くなっています(環境省により絶滅危惧1A類および希少野生動物に指定)。4-6月に繁殖し、6-10月になると母島の集落以南の地域に渡ってきた個体を見ることができます。