メグロ Apalopteron familiare

固有種  樋口(1984)

 現在小笠原諸島母島、平島、姉島のみに分布する世界的な稀少種。メジロよりやや大型で尾も長く、額にはT字型、目の回りには三角形に黒い模様があります。ミツスイ科に分類されることが多いですが、DNA分析の結果からマリアナ諸島のオウゴンメジロに近縁であることがわかり、最近ではメジロ科とする説が有力です。現在生残するのは亜種ハハジマメグロのみで、亜種ムコジマメグロ(聟島列島に分布)はすでに絶滅したと考えられています。江戸時代末期、幕府の遠征隊が採集した標本をもとに描いたと考えられるメグロの写生(絵)が最近発見され、新聞等で大きく報道されました。これまで文字資料のみから推定されていた江戸時代のメグロの記録を裏付ける最古の証拠として、文化的な価値のみならず博物学的見地からも大きな発見といえるでしょう。

季刊誌i-Bo9(BBC)より抜粋