2019年3月

島の陽射しが明るく変わり、人も生き物も独り立ちの時期を迎えています。

ちょっと不思議な事例がありました。
休日の昼「水セ前のベンチ下に、カラスより小さくて黒っぽい鳥が倒れてる」という連絡を受けたものの、下にも上にも、樹上にも姿なし。

大神山は街中にある小さな小さな山ですが、実は父島の中でも数少ない、ヤギの食害を受けていないエリアです。在来の植生が残る小さなサンクチュアリ。
いま水産センターのある辺り、通称「おでこの鼻」はかつて、そこから海にせり出した岬だったそうです。

その2日後、今度は早朝。
大神山公園南口(船客待合所近く)の「バス停ベンチ下にクロポッポが落ちています」との連絡。


残念ながら・・・いました。

アカガシラカラスバトの尾羽は12枚。
すべて幼羽でした。先が細くて綺麗なのが、その証拠。

鳥たちも巣立ちの時期を迎えています。
渇水で餌となる実の少ない今年はどうか海沿いも、生き物の気配を感じながらゆっくり運転してください。

Thanks:公園協会、Sさん

 

【IBO鳥獣レスキュー】080-2035-8078(6時〜22時)
[IBO事務所]04998-2-3779(平日8-17時)

残念ながら、この荒天でもう1羽・・・
おでこがしっかり張りだした個体です。

お腹にはしっかりと、地肌が露出した抱卵班が。

Thanks:I-Ranger

 

2019/03/02朝 奧村の漁協GSわき(岸壁側)

今季2羽目のシロハラミズナギドリは、お腹に抱卵班ができはじめていました!
彼らは交替で卵を抱くのでオスメスどちらかは判りませんが、産卵の準備が始まっています。

ちょうど腹面の真ん中あたり

卵をすっぽり抱いて温められるように、地肌が露出します。

残念ながら、頬にライン状の擦れがありました。。

Thanks: 漁協の「鳥くん」M氏

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今年になってから、ミズナギドリ類(冬〜春繁殖)の不時着がまったくありませんでした。
小雨が降っても不気味に静かな夜となっていましたが、3月を目前にシロハラミズナギドリが落ちてきました。

とても綺麗ですが、これから繁殖に入る成鳥です。

残念ながら、おそらく電線衝突。
場所は、港から高台の住宅地へとのぼりきったT字路でした。

南硫黄島調査の様子をご覧になった方は解ると思いますが、「パラパラ飛んでバサッと落ちる>テコテコ歩いて巣穴に潜る」という習性ゆえに起きる事故とも考えられます。

翌日もまた妖しい風が吹き、港周りやグラウンド周辺をぐるっと回ると・・・照明がみなオレンジ色になり、まぶしくないことに気付きました。

風が吹く、月星のない夜は、どうぞ安全第一で不時着多発ルートを回ってみてください。人工灯の明るさと不時着ポイントの関係が見えてくると思います。

Special Thanks: 港湾および道路管理者、電灯敷設など外灯に関わる皆さま

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