2025年

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2020年5月、オガサワラカワラヒワChloris kittlitziは小笠原固有種であることがわかりました(このコーナーでは愛称オガヒワを使用します)。それまでは、本土にも生息するカワラヒワの亜種とされていましたが、推定106万年前の大昔にアオカワラヒワから分岐して、独自の歴史をたどり、世界で小笠原諸島にしかいない鳥になりました。この鳥のかけがえのなさと同時に、目前に迫る絶滅の危機が明らかになりました*1。かつて、小笠原の島々に広く分布し、乾性低木林の色模様を一身に集めたような緑の小鳥は、母島列島と南硫黄島のみに生息するまでに減少し、消え去ろうとしていました。小笠原自然文化研究所(通称:IBO(アイボ))では、一般社団法人Islands care*2とともに「オガサワラカワラヒワ保全計画づくりワークショップ」*3を2回開催し(2020年12月、2025年1月)、絶滅回避のための行動計画を提案してきました*4。また、2021年からは東京都の域外保全事業を受託して、前例のないオガヒワの飼育に取り組み始めました。さらに、2025年春からは、「繁殖ペア数を増加させる」ために、研究所独自に飼育舎をつくり、東京都から2羽を譲り受け、環境省保護増殖事業の一環としてIBO独自に域外保全を開始しました。このコーナーでは、IBOが独自に取り組むオガヒワ域外保全チャレンジのトピックや、オガヒワのお話などを紹介していきます。

*1:オガサワラカワラヒワ絶滅阻止限界点への挑戦. https://ogasawara-kawarahiwa.jimdofree.com

*2:小笠原諸島をフィールドとして、自然環境保全に取り組む団体です。中でも絶滅が危惧されるオガサワラカワラヒワの調査や生息環境保全のため、様々なプロジェクトを行っています。https://www.islandscare.org

*3:特集 オガサワラカワラヒワ保全計画づくりワークショップ(2021). 小笠原研究 48.

https://tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=custom_sort&search_type=2&q=1701390176003

*4:オガヒワ未来作戦レポート〜ワークショップだョ 全員集合〜. 小笠原くざいもんチャンネル(公式)https://www.youtube.com/watch?v=unlN45FSmCw

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第2回オガヒワWSで、喫緊の課題として、「域外保全の拡大加速が必要」とのコメントがありました。ざっくり言えば、単純に繁殖飼育施設を増やすこと。逆に言えば、現在飼育施設が、絶対的に不足している、なにをするにも、飼う場所がないとはじまらない、というわけです。この背景には、2021年からの4年間で苦しい誤算がありました。捕獲された野生個体では、混群飼育や、複数の♂の同時飼育は難しく、さらに、隣接ケージでのペア飼育が困難であることがわかったのです。互いに、鳴き声や行動で干渉して大喧嘩になってしまうのです。野外では群れているが、特に繁殖期には別のルールがあるらしい? また、彼らの繁殖期の縄張りとしては、隣接施設はありえない距離感なのかもしれない? そんなことが判明してから、アイランズケアの川口大朗氏に聞くと、「そう言えば、屋外で同じ林内で2つの巣をみたことがない」とのこと。基本的なNG事項がわかるのは、とても素晴らしいことなのですが、計画設計を白紙に戻すような新知見に、関係者一同、衝撃を受けました。IBOでは設立20年目にして、やっと設置したばかりでの野生傷病鳥獣室を、再改修して、オガヒワ飼育舎をつくることを決めました。 写真:10月に完成し、オナガミズナギドリの巣立ち期1シーズン使用しただけで、改修となった傷病ルーム。まだ、思い出はないけれど、ウン十年越の待望の部屋だったので思い入れはありました。残念ですが、ここでオガヒワを繁殖にチャレンジです!!