小笠原文献

オガサワラヨシノボリは、小笠原だけに生息する固有淡水魚。
写真のように愉快な顔をしたハゼの仲間。
島ではおなじみで、川の生き物の代表選手です。
ところがこの魚、実は分類学的には種として認められていなかったのです…。

20110416204045

 

「ヨシノボリ」と呼ばれていたハゼの1種は、ヒレや体の模様、卵の大きさ、生態の違いなどによって、実は何種類もが混在した種群であることがわかってきました。
1992年に小笠原に訪れた魚類学者の鈴木寿之氏は、島に生息するヨシノボリが、それまで内地で見つかっていたヨシノボリの型とは異なることを見いだし、オガサワラヨシノボリと名付けました。
しかし、1種として扱われてきたヨシノボリ類の分類学的な整理は時間を要し、約20年間、オガサワラヨシノボリも暫定的な型(Bonin Island Type)として存在し続けてきたのです。

そして昨年12月31日、遂に他のヨシノボリ類とは異なる新種であることが学術誌に発表され、学名決定の運びとなりました。
以下の英語論文です。

Suzuki, T., Chen, I-S. and Senou, H. (2011) A new species ofRhinogobius Gill, 1895 (Teleostei: Gobiidae) from the Bonin Islands, Japan. Journal of Marine Science and Technology 19(6): 693-701.

学名は、Rhinogobius ogasawaraensis となりました。
日本魚類学会のホームページには、日本産魚類の追加種リストというページがあります。
今日現在、オガサワラヨシノボリは一番上、新種ホヤホヤですね。

2024年10月
« 1月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

特定非営利活動法人(NPO法人) 小笠原自然文化研究所
〒100-2101
東京都小笠原村父島字西町
光子ハウス1号
Tel&Fax:04998-2-3779
e-mail:i-bo@ogasawara.or.jp