2014年

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「でかいな、このネズミ…」蓋が閉じた捕獲カゴを見つけたとき最初はこう思ったそうです。黒い子ネコであることを確認し、10:54嬉しそうな声で連絡が入りました。今年2月に捕獲隊に加わったスタッフの待望の初捕獲です。
山中のセンサーカメラでは、今春2組の親子ネコが確認されていて、いずれの母ネコも数年追いかけている難捕獲ネコです。今日捕獲された子ネコは、捕獲エリアから4日の個体とは別のグループと考えられますが、どちらも母ネコから離れ、独り立ちの時期になったようです。

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3日山から戻った隊員が「明日はネコ連れて帰ってきますよ」と話していました。今朝も出発前「今日はネコ連れてきます!」と自信ありげに出かけて行きました。その自信はどこから?と思いながら隊員たちを見送りましたが、10:20携帯電話が鳴り、まさか…。電話の向こうから「有言実行!子ネコ捕まえました!」と興奮した声が届きました。
山中の定点カメラに親子ネコが頻繁に写り、そのポイントに捕獲カゴを運びこんで、願いを込めて仕掛けたようです。結局、隊員が狙っていたポイントでの捕獲ではなかったようですが、狙っていた親子ネコの1匹だったようです。捕獲を確認したときは大声で叫んだ…と電話で話していたので、喜び勇んで帰ってくるのかと思っていましたが、雨の中の長時間の山歩きで疲れた…と少し元気がありませんでした。父島では昨年11月以来のネコ捕獲となり、これを弾みに…と願います。

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毎年6月、小笠原高校の学園祭が開催されます。今年も1週間後に迫った学園祭の案内板が清瀬交差点に掲示されましたが、そのイラストの中にアカガシラカラスバトとメグロが描かれていました。
2008年に開催されたアカガシラカラスバト保全計画作り国際ワークショップでは、まだ見たことのないアカガシラカラスバトの認知度をあげるため、様々な取り組みが行われました。ここ数年のハトの増加に伴い、母島島民にとって身近なメグロと並んで、島っ子たちの心の中に、アカガシラカラスバトも認識されたことを嬉しく思いました。

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左が母ネコ 右の子ネコはネズミをくわえている

3月末のセンサーカメラのデータ回収で得られた写真のなかに、母ネコの後ろを追いかける子ネコの姿が撮影され、意気消沈したのは2ヶ月前。その後も父島ではネコの捕獲はなかったのですが、今月末に回収したカメラデータの中に、再びあの親子ネコの写真が複数枚ありました。ところが3匹かと思っていた子ネコは実は4匹で、再び意気消沈…。子ネコは順調に成長しており、ひとり立ちに向けて母ネコから色々なことを学んでいる時期のようです。ひとり立ち直後が、捕獲の勝負時になります。

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お腹に小さな膨らみがある

4月28日に母島南崎で捕獲され、翌日夕方ねこまちにやってきた1.79Kgの子ネコ。覗き込むとお腹に小さな膨らみが見えました。警戒しているものの触ることができたので抱いて確認してみると、2.5〜3cm大の柔らかい膨らみがあり臍ヘルニアが疑われました。(*臍ヘルニア:へその緒が取れた後、おへそ辺りの腹壁に少し隙間が開き、そこから皮膚の下まで脂肪などが出てくる状態)はじめて見るネコの“でべそ”。体格の割に膨らみが大きく、すぐに東京都獣医師会の小松泰史先生に連絡をしました。島では緊急時に対処できないため、GW明けのおがさわら丸で搬送するよう言われました。
歩いていると“でべそ”がちらっと見える、島名「Debeちゃん」は、ねこまちでの2週間もエサをよく食べ、排泄やお腹のトラブルもなく、おもちゃで遊びまわるなど元気に過ごし、今日おがさわら丸に乗って東京に向かいました。