2014年

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8年ぶりにカツオドリが営巣し、無事ヒナが巣立つ…という嬉しいニュースに沸いた今年の母島南崎でしたが、年末になってセンサーカメラのデータ整理をしていたところ、今年ヒナが巣立った新しい営巣地ではなく、ノネコによって壊滅的な状態に追い込まれた従来の営巣地に仕掛けたセンサーカメラに、9月28日カツオドリのオスとメスが写っていたようです。この場所は数日前に望遠カメラでもカツオドリのペアが撮影されており、来年の繁殖期にここでの営巣にも期待です。

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年に一度“アカガシラカラスバト”のことをみんなで考える日、ということで毎年開催している『あかぽっぽの日の集い』。今年は「住む街、棲む街」をテーマに、母島では4日に、父島では6日に開催しました。
第1部では動物園からのレポートとして、上野動物園のあかぽっぽニュースと多摩動物公園のコウノトリの域外保全について、またこれまでのあかぽっぽの調査から見えてきたハトの暮らしや、文化庁が取り組む他地域での天然記念物の保全活動について講演が行われました。
第2部では、ここ数年あかぽっぽが少しずつ増えてきたことで、有人島の母島・父島では、人とあかぽっぽの生活エリアが重なるようになってきたことをうけ、棲み分けができない小さな島でどう共存していくか…「あかぽっぽの良いところ、悪いところ」「あかぽっぽが増えたことのメリット、デメリット」について参加者みんなで考えました。

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ねこまちのネコタイルは、島で暮らす人にこの取り組みを知ってほしい…という思いから、いつも島民のみなさんにお願いして描いてもらっていますが、今回どうぶつ派遣診療に参加された獣医さんに、勤務先の病院で引き取り馴化訓練を行ったネコのタイル絵を描いてもらうことができました。思い入れのある素敵なネコの絵が出来上がりました…。
小笠原ネコの飼い主さまから「うちの仔のタイル絵の写真を撮ってきて…」とリクエストもあったそうです。

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小笠原諸島における希少野生動物保護対策の一環で、飼いネコの適正飼養を推進することを主な目的として2008年から始まった『どうぶつ派遣診療』*は今年7回目の開催となりました。例年通り、母島は15.16日、父島は18-21日の6日間、(公社)東京都獣医師会の協力のもと行われました。
ペットの健康チェックとともに、今年も受付・待合ホールにポスターを掲示し、事業の目的や山域・集落のネコ対策の進捗状況の説明や、東京に搬送したノネコのその後の生活を都内の飼い主さまの協力を得て紹介しました。また小笠原村から「小笠原村飼いネコ適正飼養条例」の説明も合わせて行いました。次世代育成事業も3年目となり、今年も母島小学校、父島小中学校の児童生徒を対象に「動物ふれあい教室」、「家畜と野生動物」をテーマに講演会が行われました。

どうぶつ派遣診療の開催にあたり、今年も多くの企業から医療機器・医薬品の無償貸与や提供がありました。
富士フィルムメディカル(株)、フクダエム・イー工業(株)、日本医療(株)、日本光電東京(株)、日本全薬工業(株)、森久保薬品(株)、みなさまご協力ありがとうございました。
(*主催:小笠原村、協力:小笠原ネコに関する連絡会議、OPO、299会)

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今日父島を出港したおがさわら丸には、癒し系の子ネコ3頭が乗船。ねこまちはちょっぴり寂しくなりましたが、これで東京の動物病院へ受け入れをお願いしたネコは400頭になりました。
島ではここ数年アカガシラカラスバトが少しずつ増えてきていて、島民にとって“幻の鳥”から“身近な鳥”になりつつあります。また母島南崎では8年ぶりにカツオドリの営巣が復活するなど、確実に成果がみられています。これまでご協力いただいた東京都獣医師会の動物病院のスタッフのみなさまや飼い主さまに感謝しています。


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