2016年

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今年度の父島山域ではセンサーカメラにネコが写っているものの、なかなか捕獲できない状態が続いています。環境省スタッフにも参加してもらい広範囲に捕獲カゴを仕掛け、捕獲圧をあげる集中捕獲が20日から25日まで行われました。今回の集中捕獲では4頭のネコを捕獲、ねこまち滞在ネコは11頭となり久しぶりに賑やかになりました。

今年も大変多くの方に支えられ、活動を行うことができました。ご協力いただいた皆様に心から感謝いたします。

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島ネコNo.567【伝助くん】(母島乳房山出身)

昨年11月に母島で捕獲され、ねこまちにやってきた伝助くん。誰にでも甘える人懐こいネコで、滞在中はねこまちのアイドル的存在でした。東京の動物病院を経由し、今年6月父島の飼い主さんのもとにやってきました。相変わらずの甘えん坊で、ひとりで留守番するのが苦手らしく、飼い主さんと一緒に外出することがあるようです。小笠原では野生動物との接触を避けるため、飼い主のみなさんには室内飼養をお願いしています。今日もおがさわら丸で来島されたお客様の出迎えに、リードをつけて船客待合所に来ていました。久しぶりの再会…飼い主さんに抱かれて幸せそうでした。

 

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2010年から本格稼働したネコ対策事業ですが、7年が経過し多くの成果と課題が出てきています。今後の対策をどのように進めていくかを検討するため『小笠原諸島のノネコ捕獲推進のためのワークショップ』が、父島・母島・東京の3つの会場を繋いで開催されました。専門家を含む50名以上が参加し、①保全対象種 ②集落・農地のネコ対策 ③山域のネコ対策 についての現状と評価が行われました。その後、父島地域、母島、父島山域のグループに分かれ、それぞれの課題抽出を行いました。

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動物派遣診療では母島父島それぞれ診療の後に、ネコ対策現場視察が行われています。今回母島では南崎海鳥繁殖地に、父島では初寝山に派遣団を案内しました。母島南崎では今年産まれの足環をつけたカツオドリの若鳥が確認されました。秋に巣立った若鳥は冬を迎えるまでのあいだ繁殖地周辺で過ごすようですが、この個体はその後の確認がなかったため大変嬉しい再会となりました。また、2005年野生化したネコによって海鳥の死骸の山となっていた場所が、今では草地となりオナガミズナギドリの繁殖地となっているところも見てもらいました。

この他、父島では来春開設予定の「小笠原世界遺産センター(仮称)」内の「動物対処室」も工事中でしたが見学を行いました。

 

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公益社団法人東京都獣医師会による『小笠原動物派遣診療』**は、小笠原諸島における希少野生動物保護対策の一環で、飼いネコの適正飼養を推進することを主な目的として2008年から毎年開催してきましたが、来春開設する「小笠原世界遺産センター(仮称)」内に獣医師が常駐する予定となり、今年で最後の開催となりました。

11月25日に母島で、11月28日から12月1日にかけて父島で行われ、父島母島合わせて、ネコ46頭(受診率57%)、イヌ48頭(受診率61%)の受診がありました。会場では、今年もネコ連絡会議のスタッフから飼い主さんに事業の目的や山域・集落のネコ対策の進捗状況とこれまでの成果、「小笠原村飼いネコ適正飼養条例」、来春以降の取り組みが説明されました。また、これまで島のみなさんに描いてもらった「東京のどうぶつ病院に搬送されたネコ」のタイル絵500枚を印刷したポスターも会場に展示し見てもらいました。

動物派遣診療の開催にあたり、今年も多くの企業から医療機器・医薬品の無償貸与や提供がありました。

富士フィルムメディカル(株)、フクダエム・イー工業(株)、アコマ医科工業(株)、日本医療(株)、日本光電東京(株)、日本全薬工業(株)、森久保薬品(株)、〔順不同〕みなさまご協力ありがとうございました。

(**主催:小笠原村、協力:小笠原ネコに関する連絡会議、OPO、299会)

 


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