2021年

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母島小学校5年生は、毎年秋にネコプロジェクトを学んでいます。事前にマイケル絵本を読み、前日2時間のレクチャーを受け、活動について理解を深めたうえで、ネコ対策が最初に行われた南崎まで赴き体験学習を行なっています。ロータリーから遊歩道を歩いて1時間、さらに海岸を上がって海鳥繁殖地手前に設置された海鳥保護フェンスに到着します。ネコ捕獲のためのカゴ罠やセンサーカメラの説明を受け、フェンス内ではかつてマイケル(茶トラのノネコ)が海鳥を引き込んでいた窪地にできたオナガミズナギドリの巣穴をそっと観察しヒナを確認しました。また少し離れた草地にはカツオドリも1羽降りていました。ネコ捕獲現場、繁殖地の野生動物の観察を体験し、地元の子供達はどんなことを感じたでしょうか?

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― 小笠原ネコを引き受けていただいた里親さんから、新しい生活の様子が届きましたのでご紹介します ―

島ネコNo.1081【龍彦ちゃん】(父島三日月山出身)

父島で捕獲された黒猫の傑くんを、動物病院を通じて 11月3日に譲り受け、7月に亡くなった先代の黒猫、龍之介から一文字引き継いで、龍彦と名付けました。うちに来てしばらくは、事前に用意していた箱の中に引きこもって、手を入れると猫パンチされていましたが、先住猫(漱石)のことが大好きで、戸惑う漱石にめげずにすりすりアタックを繰り返し、つれなくされて慰めてあげているうちに、少しずつ人に撫でられることにも慣れてきたようです。日に日に行動範囲も拡がり、ご飯ももりもり食べて、毎日とても健康なうんちをしています。ねこまちのスタッフの方々を始め、日頃から小笠原猫の保護のためにご尽力いただいている方々に、心から感謝申しあげます。

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ねこまち西側掲示板には、10cm四方のタイルに東京に搬送したネコの絵を描いてもらい展示しています。搬送した全てのネコを描くことは難しいので、毎年それぞれの引き受け動物病院から1-3頭程度を選んで、島に暮らす人に描いてもらっています。今年も新作が出来あがり、展示に向けて焼き付けなどの準備を行なっています。

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― 小笠原ネコを引き受けていただいた里親さんから、新しい生活の様子が届きましたのでご紹介します ―

島ネコNo.1069【サニーちゃん】(父島コーヒー山出身)

9月5日に小笠原猫を迎え入れました。日曜日に家族になったこと、太陽の光あふれる島から来たことで、凖くん改め「サニー」と名付けました。我が家には15歳になる姉妹猫2匹と、10歳になる男子猫がいます。サニーと10歳の男子猫は相撲部屋の親方と新弟子のように、日々ぶつかり稽古に勤しんでおります。おねえさま猫方にはたまに威嚇されつつも、のびのびと暮らしています。食べることへの興味が強く、誰かがキッチンにたつと大急ぎで走って来て、キッチンカウンターの上に座って調理の様子をじっと眺めています。もりもりとご飯も食べ、体重も2キロを超えました。

家族でいつかサニーのうまれた父島、コーヒー山を訪ねてみたいねと話しています。サニーを保護してくださり本当ににありがとうございます!ずっと大切に育てていきます。

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9月調査時のカツオドリの雛

母島南崎では8月から月に一度カツオドリの繁殖状況について調査していましたが、今年のカツオドリの雛は4羽が無事巣立ったようです。4羽は半島先端の南西部の崖に近い斜面で成長していたようですが、今年は台風の影響を大きく受けることなく巣立ちを迎えることができました。

また8月下旬に調査した父島南崎でも7羽のカツオドリの雛が確認されています。