南崎海鳥保護柵内 侵入ネコ対策
上2枚)柵左側の露岩をシートで覆う
下左)崖下を覗き込む黒ネコ
下右)柵右端に枝柵を設置
春になり母島南崎海鳥繁殖地ではオナガミズナギドリの飛来が始まっています。またこれからカツオドリの飛来シーズンを迎えます。この海鳥たちの繁殖地をノネコから守るため半島部に海鳥保護柵を設置していますが、最近この保護柵内に黒ネコの侵入が頻発していました。センサーカメラを駆使して侵入経路を調べてみると、柵の左端、海食崖の上部から出入りしていることが分かりました。出入りを繰り返しているのは尻尾の曲がった黒ネコで、露岩の凸凹を上手に渡って侵入していました。柵沿いに捕獲カゴを継続して仕掛けていますが、罠に対して警戒心が強く、なかなか捕まえることが出来ないため、急いで侵入経路を塞ぐ作業が必要となりました。母島ネコ捕獲隊と環境省スタッフが協力して、柵左端に続く露岩の凸凹をシートで覆う処置を行いました。数日後のカメラ映像では繁殖地保護柵外側にのみ映っていて、柵内に侵入している様子はありませんでしたが、今度は保護柵右端で海食崖を上から覗きこむ姿が撮影されました。重心を後肢に乗せて、恐る恐る崖下の侵入ルートを伺うような素振りで映り、引き返していきました。右端は左端より少し空間が広いため、本柵に続く枝柵を応急処置として設置しました。強風や台風などが心配されますが、今後、枝柵の本工事が予定されているため、それまでなんとか繁殖シーズンを迎えた海鳥たちの繁殖地を守れることを願い、経過を観察していきます。