2023年6月

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小笠原ではネコに関するあらゆる問題に島内関係機関が協働して取り組むため、2006年に「小笠原ネコに関する連絡会議(通称;ネコ連)」が結成されました。2016年に「おがさわら人とペットと野生動物が共存する島づくり協議会」が発足後は、協議会の下部組織として名称を「小笠原ネコに関する連絡調整部会」と変更して活動しています。今年度の第1回ネコ連が関係機関である環境省・林野庁・小笠原総合事務所国有林課・東京都環境局・東京都小笠原支庁・小笠原村・動物協議会医療スタッフ・NPO・東京都獣医師会が集まり行われました。現在のネコ対策の状況共有を目的に、ノネコ対策、集落等ネコ対策、保全対象種である野生動物の現状の説明と、現在の課題と取り組み方針について話し合いが行われました。

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ネコの捕獲用のエサは、これまで50種類を超える食材を試してきました。これなら確実にネコが獲れる!というものはなく、広い森のなか捕獲カゴの近くを通過するネコに気づいてもらえるよう匂いの強い食材で、同じような事業を行う他地域の情報も取り入れながら試行錯誤を重ね、現在はメイン10種類くらいにトッピング的なものを加えて使用しています。ネズミなど捕獲を阻害される小動物対策にも配慮しながら、保存が効き、取り扱いが比較的容易なものを選択しています。昨日今日は冷凍保存エサがなくなったため、豚肉・鶏肉・サバの煮込みとパック詰め作業を小雨降るなか行いました。

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ネコの捕獲は、主に金属メッシュの踏み板式カゴ罠を使っています。通年捕獲に切り替えた2010年以降、捕獲ルートを開拓しながら少しずつ台数を増やし、島全体で捕獲を行う父島ではおよそ700台、島の南部地域で捕獲を行う母島では180台のカゴ罠が山中や道路沿いに設置してあります。月に一度チェックを行うセンサーカメラのデータを参考に、ネコの撮影頻度が高いエリアを中心にカゴ罠を稼働させています。プロジェクトの本格稼働から12年が経過し、数年前から山中に設置してあるカゴ罠のバネや踏み板、底面の錆びや穴あきがみられるようになり、バネを特別注文して交換したり、使えなくなったカゴ罠を解体して穴を塞げるよう金属メッシュを適当な大きさにカットして補修しながら使っています。

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おがさわら丸ペットルームがねこまちに…

5月11日父島を出港したおがさわら丸は、年に1度の定期点検を行うため運航が3週間お休みとなりました。ドック入りに伴い、ネコの東京搬送が停止したタイミングで、父島で次々とネコが捕獲されました。ねこまちにやってきたネコは3Kg級のオスネコや妊娠ネコ、推定1.5ヶ月程度の兄妹ネコなどサイズは様々で、朝から夜遅くまで12頭のネコのお世話に明け暮れる生活が2週間続きました。ドックが明けて、おがさわら丸の運航が再開した6月1日父島出港便に8頭のネコを乗せて、私も一緒に船に乗りこみ東京都内の動物病院に運びました。さながらおがさわら丸船内に小さな「ねこまち」が出来たようで、さらに24時間のお世話が続きました。6月2日15:00定刻に竹芝桟橋に到着しましたが、この日は台風2号に梅雨前線が刺激されて、東京の上空に線状降水帯が発生しており、車でネコたちを動物病院に運ぶ時間帯が、ちょうど暴風雨に当たってしまいました。悪天候の中、都内ネコ搬送を担当してくださった株式会社ヨシダ消毒のみなさま、本当にありがとうございました。