2017年

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昨日夕方、小笠原ネコの里親さんがねこまちを訪ねてくれました。2013年3月母島で捕獲(島ネコNo.388)されたネコを家族に迎えて4年になるそうです。24時間(2013年当時は25.5時間)の船旅を体験、ねこまちを見学し「ここで過ごして船に乗ってきたのね…」と感慨深げに話していました。ねこまち掲示板に飼いネコのタイル絵を見つけ「模様がそっくり」と大変嬉しそうでした。

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ネコの捕獲には決定的な方法がないため、罠や誘引エサの工夫が必要です。これまで使ってきたカゴ罠に加え、昨年から筒型の罠も導入しました。一見ごつくて山中では異物感がありますが、ネコは狭いところが好き…という習性に合っているのか、これまで設置台数が少ない割にヒット率が高めでした。単体で7Kg以上ある罠は山中に運ぶのも大変ですが、8台の筒型罠を追加することとなり今日搬入作業が行われました。

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野生動物保全のための山域でのネコ捕獲は8年目に入りました。父島ネコ捕獲隊は夕方からねこまちで、今年度の捕獲戦略ミーティングを行いました。昨年度の実績、ネコ撮影データを踏まえ、エリアや捕獲圧のかけ方、誘引エサの工夫などが話し合われました。

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小笠原諸島は、海洋島における生物の独自の進化の過程が評価され2011年6月に世界自然遺産に登録されました。

この春、父島西町に「小笠原世界遺産センター」が完成。世界遺産保全の拠点として、遺産価値や保全の取り組みに関する情報発信、固有のカタツムリやハンミョウなど希少種の保護増殖、属島に持ち込む資材の外来種対策などの機能を有しています。またセンター内には、獣医師が常駐し、野生動物の保護やペットの適正飼養の推進、捕獲されたネコの体調管理などを行う「動物対処室」も設けられました。これからは、ねこまちのネコたちも体調不良時は専門家に診てもらうことが出来るようになり、安心して過ごせるようになりました。環境省小笠原自然保護官事務所もセンター内に移転し、一般開放は5月中旬からの予定のようです。

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― 小笠原ネコを引き受けていただいた里親さんから、新しい生活の様子が届きましたのでご紹介します ―

島ネコNo.688【あーちゃん】(父島境浦出身)

動物病院からみくるちゃんを引き取り里親になりました。人見知りでビビりとの事でしたが、大変なお転婆で2メートルのサークルにスパイダーマンの様に登って遊んでいます。食欲旺盛でウンチも沢山します。我が家ではあーちゃんと名付けました。沢山運動した後は私や息子の側で寝ています。有難うございます!