2025年

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「猫の日」のねこまちには、親子ネコが滞在しています。母ネコ;ふうなちゃんは1月26日父島夜明山で捕獲されました。山中のスタッフからネコ捕獲を伝える電話がかかってきた時は、その興奮した声に、すぐにネコが捕獲されたことが分かりました。「捕獲を確認した時は、夜明山に響き渡るような声で叫びましたよ!」と下山後に話してくれました。前日からの雨で被毛が濡れた状態で、ねこまちに運び込まれた灰白ネコは、傍からみても妊娠が疑われる大きなお腹をしていました。そして29日朝、トイレの中で授乳するふうなちゃんと子ネコ4匹を確認しました。センサーカメラ写真からおよそ1歳のふうなちゃんは初産と思われ、体調がイマイチながら甲斐甲斐しく子育てを続けていて、子ネコたちは順調に成長しています。ねこまちで子育てを見守るたびに、これを森の中でやっているのだから母ネコは本当に逞しい…といつも感じてしまいます。この子ネコたちは、来週から島内で飼育希望者を募集する予定です。

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「島ネコ マイケルの大引っ越し」の絵本を使った大型紙芝居は、2010年6月のねこ待合所開所式の際、参加した子どもたちにこのプロジェクトを知ってもらうことを目的に作ったものです。その後は、父島のサークル“おはなし会”に引き継がれ、幼児から小学生を対象にした読み聞かせの中で使ってもらっていましたが、作成から14年以上が経過し、劣化が進んだことから作り替えることにしました。今年も3月旅立ちの季節のお話し会で使ってもらえる予定です。

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オガサワラカワラヒワとアカガシラカラスバトの現状について、島に暮らすみんなで知ること・考えることを目的に1年に1度行われる「ヒワポッポの日」。父島では6日18:30から地域福祉センターで行われました。

オガサワラカワラヒワは近年個体数が激減し、日本でも最も絶滅の危険性が高い鳥のひとつです。絶滅回避のために2020年にワークショップ(WS)を開催し、保全活動に取り組んできましたが、4年が経過した現在も依然として危機的状況が改善されず、2回目の保全計画作りWSが2024年10月〜2025年1月にかけて行われました。今回のヒワポッポの日では、オガサワラカワラヒワの生息域内・生息域外・共生社会での新たな保全計画を伝える内容となりました。会場には島内のWS実行委員や関係者だけでなく、生息域外で活動協力を行なっている上野動物園や横浜市繁殖センターのスタッフにもお越しいただき、これまで行なってきた近縁種であるカワラヒワの繁殖の試みについても紹介がありました。アカガシラカラスバトの最新情報はポスターで発表しました。なお、天候が荒れ海況不良となり、船の運航に変更が生じたため、母島での開催は19日に延期となっています。

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― 小笠原ネコを引き受けていただいた飼い主さんから、新しい生活の様子が届きましたのでご紹介します ―

島ネコNo.1211【寿ちゃん】(母島蝙蝠谷出身)

2024年10月に我が家に迎え入れて3ヶ月が経ちました。長生きをしてほしい思いで寿(ことぶき)と名づけました。ケージが嫌で、2日目にはフリーになり遠慮気味ではありましたが、遊んで甘えてくれました。そんな寿も今では、自己主張をしてくれるようになりました。草の猫じゃらしに目がなく、気がつけばTV(特に動物番組)を見ている個性豊かな箱入り娘に成長し、賑やかに過ごしております。先住猫との別れから1年、我が家に笑いが戻って来ました。ねこまちの皆様には寿との巡り合いを頂き感謝しております。

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来月2月11日火曜祝日、読売新聞「猫学(ニャンコロジー)」公開講座が、20年を迎える小笠原ネコプロジェクトをテーマに行われます。ゲスト講師は、ノネコ引っ越し作戦が始まるきっかけとなった、伝説のノネコ“マイケル”の飼い主;小松泰史先生(新ゆりがおか動物病院院長)、小笠原のノネコたちの出身がどこであるかを調べている新進気鋭の遺伝学者で愛猫家;松本悠貴先生(アニコム先進医療研究所研究員)、ノネコ引っ越し作戦の意義を一人でも多くの人に知ってもらうことを目指して活動中;中川清志先生(東京都獣医師会副会長)。ご興味ある方は、会場またはオンライン受講を選択のうえ、よみうりカルチャーのサイトよりお申し込みください。

https://www.ync.ne.jp/otemachi/kouza/202501-18019026.htm

 【ホームページより】 「猫も鳥も守る――20年を迎えるノネコ引っ越し作戦」
 世界自然遺産・小笠原諸島でノネコ(野生化した猫)を捕獲し、一般家庭のペットにする取り組みを知っていますか。これまで1000匹以上のノネコが本土に渡っています。
 きっかけは、小笠原諸島の母島で2005年、茶トラのノネコが海鳥をくわえた姿が撮影されたことです。小笠原では当時、希少な野鳥が激減していました。地元のNPO法人小笠原自然文化研究所は、ノネコの殺処分の方法を教えてもらおうと、東京都獣医師会の小松泰史副会長(当時)に電話を入れます。「ノネコを殺す必要はありませんから、送ってください」。小松さんのとっさの一言から、“ノネコ引っ越し作戦”は始まりました。猫の命も、鳥の命も守ることを目指す、世界的に珍しい日本発のプロジェクトです。
 今では環境省や東京都など行政も参加するノネコ引っ越し作戦。2025年がスタートから20年に当たるのを記念し、3人のゲスト講師を招いて公開講座を開きます。