最新情報

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今年も筑波大学大学院世界遺産専攻の学生10名が、自然保護演習として小笠原にやってきました。天気予報とは裏腹に朝から雨が降り続き、急遽会場を地域福祉センターに移して、「アカガシラカラスバトの保全とネコ対策」に関するレクチャーを研究員の佐々木が行いました。最新情報を交え、室内でゆっくり、じっくり講義を行い、ねこまちの見学に移る頃には空が晴れ渡りました。午後には東平アカガシラカラスバトサンクチュアリの見学も行ったようです。

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8月17日早朝、大神山公園大村中央地区でアカガシラカラスバトがネコに襲われて怪我をするトラブルが発生しました。このため「小笠原ネコに関する連絡会議」を緊急開催し、対応を検討。さらなるトラブルを回避するため、周辺のノラネコの捕獲保護と公園地区をパトロールすることにしました。早朝4:30から日没後の19:00まで関係機関スタッフが2時間交代でハトの飛来状況やネコの監視、島民や観光客への説明を行っています。また夜間は、センサーカメラを設置し監視を続けています。

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上:島ネコ「マイケル」と「あかぽっぽマン」<br>左下:「あかぽっぽ帽子」を作る島っ子

サマーフェスティバル2012【盆踊り】が10日から12日までの3日間開催され、例年通りあかぽっぽネットワーク*主催の『あかぽっぽ屋』を出店しました。最近、集落周辺でもあかぽっぽの目撃が相次ぎ、出店の前を行き交う人々のあかぽっぽへの関心が高まっていることを実感しました。今年は、「あかぽっぽマン」だけではなく、島ネコ「マイケル」の着ぐるみも登場し、東京都の着ぐるみ「あかぽっぽクン」と「めぐろん」とともに紹介を受けたあと踊りの輪に入り、汗だくになって踊りまくっていました。
*あかぽっぽネットワーク:2008年に開催された「アカガシラカラスバト保全計画づくり国際ワークショップ」を契機に島に誕生した、あかぽっぽの絶滅回避のために活動するネットワーク

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この夏、林野庁によって母島石門域でのノネコ試験捕獲が行われます。新たに始まるネコ捕獲についての住民説明会が20日19:00から村民会館で行われました。石門域でのセンサーカメラ調査によるアカガシラカラスバトとノネコの出現状況やネコ捕獲方法の説明だけでなく、最近母島でも目撃が増えたアカガシラカラスバトの状況や母島のネコ対策についても説明が行われ、ネコ連絡会議スタッフと住民との活発な意見交換が行われました。

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山域のノネコ対策が進んだことや、無人島でのネズミなど外来哺乳類の排除によってアカガシラカラスバト(通称:あかぽっぽ)が増えてきています。アカガシラカラスバトは島と島を渡ることも、これまでの調査で確認されていて、ノネコ捕獲が進んだ父島だけに限らず、母島でも複数羽が同時に観察されています。
夏場、山の餌が少なくなり、餌を求めて“あかぽっぽ”が集落周辺に出現しており、地域住民にもよく見かけられるようになってきました。集落内では、ノラネコや外出を自由にしているネコと“あかぽっぽ”が餌木のそばで出会う可能性があります。父島のネコの飼い主さんには、室内飼養への協力のお願いと“あかぽっぽ”が増加傾向にあることをお知らせするチラシを配布しました。