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ねこまちで過ごすネコたちは、滞在中に少しずつ人や環境に慣れ、飼養者との距離を縮めてくれます。その変化は個体によって様々ですが、サイズの小さなネコの多くは警戒心が薄く、早い段階から触れたり抱っこしたりできるようになります。東京への搬送を待つ間に抱っこできるようになると、短時間ですが室内に出して遊ばせています。
東京での受け入れ病院がなかなか見つからず、島が観光シーズンに入り、おがさわら丸への乗船が出来なくなることが重なることで滞在が長くなってくると、子ネコだけでなく2.5〜3Kgを超えるサイズのネコたちも個体によっては抱っこできるまでに慣れることがあります。今滞在中の黒ネコ2匹もすっかり人に慣れ、いつまでも膝の上でゴロゴロ喉を鳴らしながら抱かれているようになりました。飼養室はサイズの大きいネコの遊びに対応した造りになっていないため、自由に遊ばせてあげることはできません。少しでも運動不足とストレスを解消できればと思い、大型ケージを利用して小さなプレイルームをつくってみました。走り回ることはできませんが、飼養ケージの2.5倍の大きさがあるので、おもちゃ遊びができ、2階建てのダンボールハウスも結構気に入って使ってくれています。

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二見港に停泊中のぱしふぃっくびーなす

先月28日、観光船ぱしふぃっくびーなすで来島したご夫妻が「ねこまち」を訪ねてきました。奥様が東京都動物愛護推進員として居住地の地域ネコ活動を積極的に行っており、3年前には環境省小笠原自然保護官事務所を通じて「マイケルの大引っ越し」絵本を取り寄せ、昨年も普及啓発活動に活用していただいたようです。活動を通じて、小笠原ネコの飼い主さんとも知り合いになり、以後小笠原のネコ対策に強い関心を持っていたようで、クルーズにキャンセルが出て急遽小笠原行きが決まった時点で「是非、ねこまちに行ってみたい!」と連絡がありました。このクルーズの父島滞在はわずか1日。観光のシーズンであるホエールウォチング等他の予定は一切入れず、来島目的は「ねこまち」のみ…と下船後まもなく訪ねてきてくれました。都内での地域ネコ活動の様子を伺いながら、ねこまちでのネコの管理や東京搬送、小笠原の集落ネコ対策について1時間ほど話をしました。
旅行を終えて自宅に戻られたと今日メールが届きましたが、「ねこまち訪問は、大変刺激的でした!」と書かれていました。小笠原の集落ネコ対策のなかに共通点やヒントがいくつかあったようです。そして今回の小笠原クルーズは、奥様の地域ネコ活動のよき理解者であるご主人からの春休みのプレゼントだったようです…。

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結婚を祝って用意したケーキ

年度末の今日でネコ捕獲隊を卒業する島っ子隊員の送別会が行われました。島で生まれ育った若者が、島の自然再生事業に従事することは大きな意味がありますが、また新しい夢を見つけたようです。別れを惜しみ、隊員たちは連日一緒に過ごしているようですが、今夜は隊長主催でした。送別会だけでなく、2月下旬から捕獲隊に加わった新メンバーの歓迎と、2010年から捕獲隊として活躍するメンバーが昨年末入籍したお祝いも兼ねて、賑やかに行われました。

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父島山中のノネコの生息は低密度状態を維持し、残り数頭となったネコの捕獲に苦労しています。ノネコの生息状況の確認は、80台を超えるセンサーカメラを使用していて、毎月月末に撮影データを回収し解析作業を行っています。この他に捕獲用のカゴ罠に撮影スポットを当て、仕掛けた餌に対する反応や他の小動物の動きを確認するためのセンサーカメラをいくつか仕掛け、適宜データをチェックしながら捕獲作業にあたっています。被毛に白い毛が混じって個体識別が可能なネコはもちろん、数頭レベルに追い込んだステージになると黒ネコでも尻尾の太さや長さ、出現エリアからおよその個体を判断することができ、その動きを追います。この冬は人の想像を超える距離の移動がわずか1日で確認されたこともありました。
今月も2日間かけてカメラデータの回収を行いましたが、その写真の中に、母ネコの後ろを追いかける小さな黒ネコ3匹のかわいらしい姿がありました。今年度1年間で捕獲できたノネコは5匹…。想定内の事象とはいえ、この写真を見つけた隊員たちは、しばらく意気消沈…したようです。この子ネコたちが繁殖に参加できる大きさになる前に捕獲できることを期待します。

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昼前、自転車で島内観光をしていた5人の学生がねこまちを訪ねてくれました。飼養室で作業をしていると「マイケルの絵本は置いてないのかなぁ…」という話声が聞こえたため、外に出て案内しました。山のツアーでノネコ捕獲事業の説明を受け、関心を持ったので…と立ち寄ってくれたようです。マイケル絵本を朗読し、私の説明にも耳を傾けてくれました。帰り際「4月からは就職ですか?」と聞いてみると「そうなんですよ…もう島に学生気分、全部置いていきます…」とちょっぴり寂しそうに話してくれました。小笠原でたくさんの思い出ができたでしょうか…。
また、お会いすることはできませんでしたが、マイケル絵本の郵送を希望された方の中に、こんなメッセージがありました。
・4月から獣医師になる身として、とても興味深く、自分もこのような活動に携わることができるように成長したいと思いました。島もネコも救う取り組みをこれからも続けていってほしいです。
・僕は獣医学生で、この取り組みにとても興味を持っています。大変だと思いますが、頑張って下さい。
この春もたくさんの学生が、ねこまちを訪れてくれています。