最新情報

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『チルチンびと』は風土舎が発行する建築・住宅誌で、「住まいは生き方」をテーマにした情報を紹介している雑誌です。小笠原が世界自然遺産に登録されたことをきっかけに2011年7月発行の67号より「小笠原からの手紙」コーナーが設けられ、小笠原野生生物研究会代表の安井隆弥先生と当研究所の鈴木 創が小笠原の自然や生物・文化を紹介しています。これまでにシダ植物や海鳥・アカガシラカラスバトやオガサワラオオコウモリなどを紹介してきましたが、今年1月1日発行の78号には、「猫と鳥と島の話」としてノネコ事業を紹介しています。今号は活動がはじまるきっかけとなった母島南崎の海鳥死体発見から東京都獣医師会に相談するまでが書かれています。すでに次号の締め切りが迫り、事務所では2005年当時を振り返って、あの頃の気持ちや苦労を思い出したり、若かったスタッフやワイルドなノネコの写真に大騒ぎしながら、慌てて執筆しています。続編79号は3月11日に発売予定です。

〜本年も「ねこ待合所」をどうぞよろしくお願いいたします〜

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現在『ねこ待合所』滞在ネコは母島捕獲ネコが8頭。東京への搬送を待っていた5頭の黒ネコに、12月3日から始まった母島石門で捕獲されたネコ3頭も全て黒ネコで、『黒ネコ待合所』になっています。捕獲時サイズも1Kgから4Kg台、尻尾の長さもまちまちで頚・胸・腹部に少しだけ白い毛が混じっていたり、顔つき性格もそれぞれに個性があります。

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11月21日母島石門でアカガシラカラスバトの捕食死体が東京都レンジャーによって発見されました。死体は巣立ち直前か直後の幼鳥と判断され、この周辺を繁殖場に利用している別の個体が襲われる危険があることを受け、林野庁主催の緊急ネコ連絡会議が開催されました。母島関係者と父島をSkypeで繋ぎ、週明け12月2日から石門での緊急ノネコ捕獲を行うことが決定されました。母島では父島のようにノネコ捕獲部隊が編成されておらず、環境省・林野庁・東京都・NPO法人所属の有志が交代で作業にあたることになりました。

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母島父島合わせて6日間のどうぶつ診療が終了しました。今年の受診頭数は、ネコ67頭(受診率73%)、イヌ61頭(受診率70%)でした。健康診断をはじめ、日常ケアや疾病に関するアドバイス、犬のしつけやネコ飼育環境に関するアドバイス等が行われました。また診察以外にも、昨年に引き続き次世代育成事業の一環として、母島小学校、父島小中学校の児童生徒を対象に「動物ふれあい教室」、「家畜と野生動物」をテーマに講演会が行われました。
今年もどうぶつ派遣診療の開催にあたり、多くの企業から医療機器・医薬品の無償貸与や提供がありました。ご協力ありがとうございました。

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今年で6回目となる『どうぶつ派遣診療』*が母島14.15日、父島17-20日の日程で行われました。
この事業は、小笠原諸島における希少野生動物保護対策として東京都獣医師会の協力によって行われているもので、飼いネコの適正飼養を推進することを主な目的として取り組んでいます。今回は、受付・待合ホールにポスターコーナーを設け、事業説明や今夏のあかぽっぽの出現状況、集落内で起こった事故とその対策などを、診察に来た飼い主さんにお話をしました。小笠原村からもペットの飼養に関するお願いが説明され、出来あがったばかりの「アカガシラカラスバトの棲む島で」というタイトルの本(発行:小笠原自然文化研究所)を配布しました。
(*主催:小笠原村、協力:小笠原ネコに関する連絡会議、OPO、299会)