最新情報

Picture

毎年6月、小笠原高校の学園祭が開催されます。今年も1週間後に迫った学園祭の案内板が清瀬交差点に掲示されましたが、そのイラストの中にアカガシラカラスバトとメグロが描かれていました。
2008年に開催されたアカガシラカラスバト保全計画作り国際ワークショップでは、まだ見たことのないアカガシラカラスバトの認知度をあげるため、様々な取り組みが行われました。ここ数年のハトの増加に伴い、母島島民にとって身近なメグロと並んで、島っ子たちの心の中に、アカガシラカラスバトも認識されたことを嬉しく思いました。

Picture

左が母ネコ 右の子ネコはネズミをくわえている

3月末のセンサーカメラのデータ回収で得られた写真のなかに、母ネコの後ろを追いかける子ネコの姿が撮影され、意気消沈したのは2ヶ月前。その後も父島ではネコの捕獲はなかったのですが、今月末に回収したカメラデータの中に、再びあの親子ネコの写真が複数枚ありました。ところが3匹かと思っていた子ネコは実は4匹で、再び意気消沈…。子ネコは順調に成長しており、ひとり立ちに向けて母ネコから色々なことを学んでいる時期のようです。ひとり立ち直後が、捕獲の勝負時になります。

Picture

お腹に小さな膨らみがある

4月28日に母島南崎で捕獲され、翌日夕方ねこまちにやってきた1.79Kgの子ネコ。覗き込むとお腹に小さな膨らみが見えました。警戒しているものの触ることができたので抱いて確認してみると、2.5〜3cm大の柔らかい膨らみがあり臍ヘルニアが疑われました。(*臍ヘルニア:へその緒が取れた後、おへそ辺りの腹壁に少し隙間が開き、そこから皮膚の下まで脂肪などが出てくる状態)はじめて見るネコの“でべそ”。体格の割に膨らみが大きく、すぐに東京都獣医師会の小松泰史先生に連絡をしました。島では緊急時に対処できないため、GW明けのおがさわら丸で搬送するよう言われました。
歩いていると“でべそ”がちらっと見える、島名「Debeちゃん」は、ねこまちでの2週間もエサをよく食べ、排泄やお腹のトラブルもなく、おもちゃで遊びまわるなど元気に過ごし、今日おがさわら丸に乗って東京に向かいました。

Picture

新ゆりがおか動物病院にて、子育て中の様子

2月2日に母島南崎で捕獲された2.33Kgのメスネコ。ねこまちにやってきた時から大人しく、警戒心もすぐに薄れて、4日目にはネコのほうから触ってきました。痩せていたこと、撫で撫でが大好きで、室内に出して遊ばせていても時々擦り寄ってきてゴロゴロと喉を鳴らすなど愛らしい姿を見せ、すっかり子ネコだと思って接していました。ところが飼養5週目に入った頃から食欲がアップ、乳首も目立つようになり、お腹も少しずつふっくらしてきて、室内に出しても横たわって休んでしまうことが多くなり…“まさか妊娠…?”。すでに春休みに入り、おがさわら丸での搬送が出来ない時期に入っていましたが、小笠原海運と新ゆりがおか動物病院の小松泰史先生に受け入れをお願いし東京へ搬送しました。
その後4月2日から3日間かけて、4匹の子ネコを出産したと連絡が入りました。ねこまちでは甘えん坊だった母ネコですが、今はしっかり子育てしているそうです。
逆算すると交尾から間もなく捕獲されたことになります。山域のネコを“ゼロ”にするこの取り組みは、このネコの繁殖能力を上回るペースで捕獲することが求められています。

Picture

ねこまちで過ごすネコたちは、滞在中に少しずつ人や環境に慣れ、飼養者との距離を縮めてくれます。その変化は個体によって様々ですが、サイズの小さなネコの多くは警戒心が薄く、早い段階から触れたり抱っこしたりできるようになります。東京への搬送を待つ間に抱っこできるようになると、短時間ですが室内に出して遊ばせています。
東京での受け入れ病院がなかなか見つからず、島が観光シーズンに入り、おがさわら丸への乗船が出来なくなることが重なることで滞在が長くなってくると、子ネコだけでなく2.5〜3Kgを超えるサイズのネコたちも個体によっては抱っこできるまでに慣れることがあります。今滞在中の黒ネコ2匹もすっかり人に慣れ、いつまでも膝の上でゴロゴロ喉を鳴らしながら抱かれているようになりました。飼養室はサイズの大きいネコの遊びに対応した造りになっていないため、自由に遊ばせてあげることはできません。少しでも運動不足とストレスを解消できればと思い、大型ケージを利用して小さなプレイルームをつくってみました。走り回ることはできませんが、飼養ケージの2.5倍の大きさがあるので、おもちゃ遊びができ、2階建てのダンボールハウスも結構気に入って使ってくれています。