最新情報

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下;佐護ツシマヤマネコ米を取り寄せ配布しました

2008年1月に開催した「アカガシラカラスバト保全計画作り国際ワークショップ」から5年。昨年夏には、集落周辺にもあかぽっぽの若鳥が多数姿を見せるなど活動の成果が少しずつあらわれるようになってきたことをうけ、今年の『あかぽっぽの集い』は、沖縄・南大東島・対馬など他の島嶼部で活動している方をゲストに迎え、拡大版で開催しました。
16日は沖縄のヤンバルクイナ、南大東島のダイトウオオコウモリ、対馬のツシマヤマネコの保全活動の紹介、17日は京都大学や北里大学との研究成果や、上野動物園や多摩動物公園での飼育状況や研究成果も紹介され、海洋島;小笠原であかぽっぽとの暮らしかたを考える時間となりました。ゲスト・スタッフ合わせ、両日で延べ260名を超える参加がありました。

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昨年12月19日に東京へノネコ3頭を搬送したあと年明けまでネコ捕獲がなく、“ねこまち”は少し長めの冬休みとなりました。11日母島石門入口付近でキジトラの雄ネコが捕獲され、“ねこまち”にやってきました。体重2.95Kgとサイズは大きめですが、目つきは優しく威嚇もみられません。東京への搬送は、おがさわら丸のドック終了後2月5日の予定です。少し長めの滞在になるので、人に馴れてくれるかな?

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上:ネコの診察 下:意見交換会

小笠原村主催(協力;ネコ連絡会議、OPO、299会)による「小笠原動物派遣診療」が終了しました。例年通り、母島で2日間、父島で4日間の診察が行われ、父島母島合わせてネコ63頭、イヌ60頭の受診がありました。
5回目となる今年は、夏の集落周辺でのアカガシラカラスバト若鳥の目撃が多数みられたことを受け、「ペットの適正飼養」「ネコの屋内飼育の推進」をテーマに行われました。父島での飼いネコの受診率は61%。ペットと野生動物が共存できる島をめざし、次世代にも共存できる環境を引き継いでいく必要があることを、獣医師から飼い主さんに伝えられました。
また昨年に引き続き、ネコ連絡会議スタッフとの意見交換が行われ、獣医師の目から見た小笠原の取り組みに対するアドバイスをいただきました。

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上:中学校での講演
下:小学校でのふれあい教室

今年は動物診療と並行して、世界自然遺産地域小笠原諸島管理計画の次世代育成事業の一環として、小笠原小学校、小笠原中学校での獣医師による授業が行われました。小学1年生22名を対象に「チャボとの触れ合い」教室、中学校全校生徒49名を対象に「自然と愛玩動物の共生」をテーマに講演が行われました。講演を聴いた生徒たちから寄せられた感想の一部を紹介します。
・ネコは殺さないのに山羊は殺してしまう…そんなこと考えたこともなかったが、今回そのような問題を改めて考えてみたことで、父島の課題や人間と動物たちとの向き合いかたが分かったような気がする(1年)
・伴侶動物が人に与える影響がとても大きいことに驚きました(2年)
・小笠原に住んでいる外来種の話や狂犬病の話、伴侶動物の話を聞き、動物を飼うにはリスクを伴うけど、とても素晴らしいことだと思いました(3年)
・犬の命もヤギの命も猫の命も大きさは一緒だと思う(3年)

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本日入港のおがさわら丸で、動物診療の派遣団6名が到着しました。海況が悪く30分遅れの到着となりましたが、そのまま慌ただしくははじま丸に乗り換え、母島に向かいました。今年の動物派遣診療は「適正飼養の普及」をテーマに、これまで以上に飼い主さんとコミュニケーションをとりながら行われる予定です。29.30日は母島で、12月2〜5日まで父島で診療を行います。
また18日の読売新聞に、東京都獣医師会の小松泰史先生が『小笠原「幻のハト」保護へ、野良猫引っ越し作戦』というタイトルで紹介されました。この中には、今回の派遣団の先生方が行う小中学校での啓発活動も紹介されていました。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20121118-OYT1T00319.htm