小さな命を救いたくて…
上;おがさわら丸での搬送
下;集中治療室に収容された子ネコ
4月19日出港日の朝、東京搬送予定のネコが1匹の茶トラネコを出産していました。ねこまちでの出産は今回で3回目でしたが、胎盤がついたままで母ネコは子ネコに寄り添うことなく、育児放棄した状態でした。すぐに東京都獣医師会の先生に電話連絡し、人工哺乳で対応することにしましたが、早産だった可能性が高く、体重は64gととても小さく、数日はミルクの飲みも悪くて体重増加がみられませんでした。事業本来の目的を考えると…と脳裏を掠めますが、目の前の小さな子ネコは箱の中を動き回り、お腹が空いたと鳴き、生命力の強さを感じさせました。島での人工哺乳に限界を感じ、対応を相談すると「東京まで搬送できれば引き受けますよ」と西東京市の中川動物病院の先生が言ってくださいました。小さな命をなんとか繋ぎたい…そんな思いを胸に25日14:00哺乳用具とペットヒーターを持ち込み、産後体調を崩した母ネコとともにおがさわら丸に乗船しました。ペットルームに泊まりこみ、2時間おきに哺乳を行いましたが、長い長い25.5時間でした…。竹芝桟橋から動物病院までは、もっともっと時間が長く感じられました。
子ネコは集中治療室に収容され、献身的な医療・看護が続けられています。日々の体重増加はわずかで、まだまだ安心できない状態のようですが、元気に育ってくれることを小笠原から祈っています…。