最新情報

Picture

― 小笠原ネコを引き受けていただいた飼い主さんから、新しい生活の様子が届きましたのでご紹介します ―

島ネコNo.1117【とむちゃん】(父島振分山出身)

’22年11月に武蔵野市の動物病院からもらい受けました。父島で捕獲された’22年5月頃生まれの茶トラの雄ネコで、「とむ」と命名しました。我々は50歳代の子供のいない夫婦で、互いの実家で多数のネコと接してきましたが、自分達がネコを飼うのはとむが初めてです。とむはビックリするほど人懐っこく、初日から懐いてくれました。ごはんのおねだりが激しいなど、困ったことも多少はありますが、本当に可愛らしく、今ではとむのいない生活は考えられません。小笠原の貴重な自然・動物と野ネコの両方を救う小笠原ネコプロジェクトの活動は非常に意義がある活動だと思います。大変だと思いますが、今後もぜひ活動を続けてください。

Picture

この春、ネコ捕獲隊は新たに3人のスタッフを迎えました。このうちのひとりが学生時代からお付き合いのあった方と本日入籍しました。若い二人の門出を祝い、ささやかなお祝いを贈りました。末長くお幸せにね…。

Picture

4匹のネコを乗せて、ねこまちに向かう

11日から12日にかけての夜間は、天候曇り、気温21℃、湿度89%、北北東の風2-4m/s、中潮、月齢20.9。いつもと変わらない夜でしたが、ノネコにとってどんな条件が重なり、山中に設置された小さな金属製のカゴに入ったのか…?

12日、ここ1-2年ネコ捕獲が停滞する父島ネコ捕獲隊から、相次いでグループLINEにネコ捕獲連絡が入りました。「8:51 都道で灰色ネコ、かなりでかい」「8:56 コーヒー山で灰色ネコ、こちらも大きい」「9:21 コーヒー山で灰白ネコ、2キロ以上」「9:55 小花道でサビネコ」 成ネコばかり4匹が捕獲され、ねこまちにやってきました。9日捕獲の子ネコと合わせて5匹、久しぶりに賑やかなねこまちとなっています。

Picture

上2枚)柵左側の露岩をシートで覆う
下左)崖下を覗き込む黒ネコ
下右)柵右端に枝柵を設置

春になり母島南崎海鳥繁殖地ではオナガミズナギドリの飛来が始まっています。またこれからカツオドリの飛来シーズンを迎えます。この海鳥たちの繁殖地をノネコから守るため半島部に海鳥保護柵を設置していますが、最近この保護柵内に黒ネコの侵入が頻発していました。センサーカメラを駆使して侵入経路を調べてみると、柵の左端、海食崖の上部から出入りしていることが分かりました。出入りを繰り返しているのは尻尾の曲がった黒ネコで、露岩の凸凹を上手に渡って侵入していました。柵沿いに捕獲カゴを継続して仕掛けていますが、罠に対して警戒心が強く、なかなか捕まえることが出来ないため、急いで侵入経路を塞ぐ作業が必要となりました。母島ネコ捕獲隊と環境省スタッフが協力して、柵左端に続く露岩の凸凹をシートで覆う処置を行いました。数日後のカメラ映像では繁殖地保護柵外側にのみ映っていて、柵内に侵入している様子はありませんでしたが、今度は保護柵右端で海食崖を上から覗きこむ姿が撮影されました。重心を後肢に乗せて、恐る恐る崖下の侵入ルートを伺うような素振りで映り、引き返していきました。右端は左端より少し空間が広いため、本柵に続く枝柵を応急処置として設置しました。強風や台風などが心配されますが、今後、枝柵の本工事が予定されているため、それまでなんとか繁殖シーズンを迎えた海鳥たちの繁殖地を守れることを願い、経過を観察していきます。

Picture

ここ1週間ほど父島のメインストリート横の広場のシマグワにエサを求めてアカガシラカラスバト(通称;あかぽっぽ)が出現しています。今年巣立った若鳥が多く、5〜9羽ほどが人目も気にせずシマグワを啄ばんでいます。人も車も多く通るため、急な飛び出しによる交通事故や衝突事故を防ぎ、あたたかく見守ってもらえるよう立ち入りを制限するロープを張り、注意を呼びかけています。集落内では数年前からノラネコ (餌やりネコ)はいなくなっていますが、外出を自由にする飼いネコや山域から集落への流入ネコがゼロではないため、ネコ飼い主さんにも協力を呼びかけています。

春から夏にかけて経験の少ないあかぽっぽの若鳥が、集落周辺にエサを探して姿を見せることが多くなります。今年も4月に入り、集落内ですでに多くの事故が起きています。島で暮らす皆さま、島を訪れる皆さま、事故防止にご協力をお願いします。