最新情報

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八王子市に暮らす小学4年生の男の子が、ねこまちを訪ねてきてくれました。小笠原旅行が決まってから近くの図書館で小笠原に関する本を探したところ、「野鳥もネコもすくいたい!~小笠原のノラネコひっこし大作戦~」を見つけ、読んできたそうです。「いくつか質問をしたい…」ということでしたが、台風20号によっておがさわら丸が欠航となり、小笠原での滞在が予定より長くなったため時間に余裕があるということだったので、朝の給餌や飼養室の掃除も体験してもらいました。前日にはネコ捕獲隊からも話を聞くことができたようで、ノートいっぱいメモしていました。夏休みの宿題できそうかな?

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昨日、母島南崎の海鳥繁殖地の状況を確認しましたが、今年は5羽のカツオドリのヒナが育っていました。海鳥保護柵(ネコ侵入防止)を設置してから最も多い数となっています。今夏は小笠原近海を多くの台風が通過していますが、無事巣立ちをを迎えてくれることを願っています。

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飼いネコは、母島南崎で捕獲された3姉妹のなかの1匹「セコン」ちゃん。先住ネコちゃんと同じハチワレ模様で、今春、北品川どうぶつ病院から譲り受けたそうです。小笠原旅行では、「是非、飼いネコの故郷を訪ねよう…」と母島まで足をのばし、南崎にも行ってきたそうです。出港日に「大きくなったネコの様子を見せたくて…」とねこまちを訪ねてきてくれました。よくごはんを食べ、先住ネコちゃんとも仲良く過ごしているそうです。お会いできて嬉しかったです…。

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父島南崎のカツオドリの親子

父島列島でカツオドリの営巣地は、南島とその周辺にある岩礁に限られていましたが、数年前から海のガイドさんに「父島南崎でカツオドリを見かける」という話を聞いていました。父島南崎は、現在許可なく立ち入ることができない場所ですが、2016年、東京都のレンジャーにより少数の営巣が確認されたことから、昨日現地調査に行ってきました。カツオドリのヒナ9羽が確認され、母島南崎に続き、有人島の父島でも島の先端部で海鳥が営巣できる環境が復元してきていることが分かりました。ネコ対策の効果がここでも表れているようです。

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写真提供;大林隆司さん

母島・南崎で最初に捕獲されたネコ「マイケル」の時代から、2008年の国際ワークショップを経てスタートした“小笠原ネコプロジェクト”の10年を書いた『小笠原が救った鳥』。この本の出版を記念した会が、6月28日横浜の NPO法人よこはま里山研究所の「はまどま」で、6月30日には東京飯田橋の「絵本屋カフェ・ボローニャ」で開催されました。参加者は小笠原をフィールドにもつ大学や研究機関の先生方や東京都獣医師会の獣医師、小笠原で暮らし自然保護や研究に携わったことのある方、小笠原ネコの飼い主さん、小笠原をよく知る方や興味を持っている方などが小さな会場いっぱいに集まりました。当研究所のスタッフもゲストとして参加し、ネコプロジェクトの最近の情報や、アカガシラカラスバトや小笠原で暮らす動物についての話をしました。この本を通じて、小笠原の取り組みがもっと知られていくといいなと思います。