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シロハラミズナギドリが保護されました。飛来時に電線や照明にぶつかったのか?とも思いましたが、嘴、翼角、頭部など負傷しやすい部位に怪我はない。が、パッと見、目が見えていないように感じる・・・あれか!!? 大きすぎる黒目を、よくのぞきこむと間違いなさそうです。硫黄列島では海鳥の目に寄生するヒルが確認されています。この個体は翌日には死亡し、検体としてヒルの研究者の元へ送りました。なかなか衝撃的なお話ですが、見てみようという方は、以下をご参照くださいませ。

逢沢峰昭・森嶋 佳織  ニホンヤマビルとその分布
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsk/92/0/92_4/_pdf/-char/ja

Nakano, T., Suzuki, H., Suzuki, N., Kimura, Y., Sato, T., Kamigaichi, H., Tomita, N. & Yamasaki, T. 2020. Host-parasite relationships between seabirds and the haemadipsid leech Chtonobdella palmyrae (Annelida: Clitellata) inhabiting oceanic islands in the Pacific Ocean. Parasitology, 147(14): 1765–1773.

昨日負傷により保護中であったアカガシラカラスバトは、野生復帰が難しい(非常に時間がかかる)と判断されたことから、多摩動物公園に搬送することになりました。この個体、最近父島では稀な、ネコに襲われたことは不運でしたが、その後は強運が続きます。保護治療中に、ちょうど、上野動物園、多摩動物公園の方々が来島中だったのです。小笠原動物対処室の小菊先生と一緒に診察もいただき、さらに、ギリギリの搬送判断であったにもかかわらず、小笠原支庁、両動物園のスタッフさんが夜中、早朝に調整を図り、出航日当日に搬送受け入れが決定されるというファインプレーでした。早く体調を戻して、多摩動物公園の域外個体群の中で、元気に暮らしてほしいです(種の保存法の保護増殖事業計画にのっとり、生息域内で発生したアカポッポの傷病鳥獣個体は、域外個体群として活用されています)。写真は、おがさわら丸の搬送人だった私・鈴木(右)が、竹芝到着後に、渡部園長に保護個体をバトンタッチしているところ!

非常にひさしぶりに、ネコに襲われた痕跡のあるアカガシラカラスバトが保護されました。頭部、翼に爪傷を負っています。また、頭を強打された可能性があり、保護直後は意識レベルが低かったです。小笠原動物対処室スタッフに往診をして頂いています。

怪我をして保護されたオオコウモリの飛行訓練中

繁殖期まっただ中のオナガミズナギドリの保護が続きます。昨日は、電線衝突と思われる翼骨折で戻れない個体が出たばかり。この個体は、頭に少し擦り傷が観られますが、翼も大丈夫で、無事に戻っていきました。岩穴の巣の中で生まれて10日〜2週間程度のヒナが待っていることでしょう。