2009年

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大晦日の夜。自然ガイドさんから電話がありました。「ナイトツアー中に不自然なオオコウモリを発見した。樹上で動けなくなっているのかもしれない。」大晦日の夜でしたので、IBO事務所には、ふだん野生鳥獣にかかわっているメンバーがガヤガヤ揃っておりました。さっそくみなで出動。現場では、トラベラーズツリーの分枝部分に、腕の根元を深く挟み込んで、グッタリしている亜成獣がおりました。4〜5mの高さがあり、通りがかりのガイドさんたちの協力も得て、なんとか救出に成功しました。挟まっていた腕は鬱血で腫れ上がり、逆関節状態でぶら下がっていたために、間接や筋の機能渉外が心配されました。保護個体は、衰弱も強く、3日間ほどは眠り続けました。ケアのかいもあり、1週間頃にはケージ内を動き回るようになりました。

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おちびさんは♂でした

朝、小笠原支庁の野生鳥獣の担当者より、「駐車場でオオコウモリを保護!」と連絡が入りました。手のひらにのるサイズ。親と共に行動している可能性が疑われる幼獣で、地上での保護状況から、飛来していた複数集団から脱落した(親からの誤って落下)ことが考えられました。体温低下等もあり、衰弱もみられることから、補液、保温等のケアを開始しました。

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アカアシカツオドリは、船舶のマストなどに降りるのが大好き。

いつも、海鳥情報や鳥の保護でお世話になっている観光船の船長さんから、「船にアカアシカツオドリが乗ってきた!」との連絡がありました。聟島列島のドルフィンツアーの帰路、船に近づいてきたアカアシカツオドリが、船長のすぐ後ろのアームにとまり、そのまま一緒に父島までやってきた! というのです。「いままで、長年船長をやってきたけれど、船長冥利に尽きるよ! お客さんもみんな大興奮だったよ」と、興奮気味に船長が話してくれました。そりゃ、そうでしょう! すぐ後ろに真っ白な大型海鳥を従えて? 船を操船する気持ちは、最高だったことでしょう。「万が一、弱っているようだったら、お願い」という笑顔の船長さんでしたが、夕方の父島湾内に係留された船でしばらく翼を休めると、元気に何処へか飛び去っていきました。

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何羽ものメジロたちが、
1日じゅうここ(バナナ)を離れない。

台風の続編です。山では吹き付けた潮風のために、数日で潮枯れがはじまり、1週間たたずに、枯葉だらけの山になってしまいました。同じく台風で叩かれたバナナを事務所につるすと、食料難のメジロたちが一斉に集まってきました。

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台風通過後の天候回復を待ち放鳥されたシロハラミズナギドリ

台風の襲来で、海じゅう島じゅう もみくちゃ になってしまいました。この時期にしては珍しいシロハラミズナギドリの保護も、台風のせいかもしれません。


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