2024年12月

さまざまな島民の方々の協力を得て、無事に今シーズンのオナガミズナギドリ巣立ち終了を確認しました。「オナガミズナギドリが無事巣立ったら、小笠原のクリスマス到来!!」のクリスマスツリー点灯式も実施され、沢山の人で賑わいました。今シーズンは、巣立ちピークに新月と悪天候が重なる悪条件もあり、父島ではひさびさの30羽越えとなりました。9割が無事に海へ戻りましたが、1羽は死亡。1羽は約20日間となるリハビリが続いています。コロナ禍でお休みしていた「海鳥レスキュー講習会(主催:小笠原支庁)」も云年ぶりに開催され、島内の公官庁にも、光に対する関心が再び高まっている手応えを感じています。ウミガメ、星空もあって、光害への意識がもともと強く、かつ、すでに多くの実践がなされていた、知られざる光先進地・小笠原で、これまでの良き実績が、これからのフォーマットとなることを願っています。
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オナガミズナギドリは、小笠原諸島でもっともポピュラーなミズナギドリです。父島列島の南島や母島列島の鰹鳥島など、大規模な繁殖地が散在します。春に飛来した親鳥は、長いハネムーン期を過ごし、初夏に産卵、卵は盛夏に孵化します。雛たちは、台風シーズンを乗りこえて、11月中旬から巣立ちを迎えます。巣穴で親鳥の帰りを待ちながら大きくなった巣立ち鳥には、初フライトまで、海を観たことがないものさえいます。経験の浅い彼らは、街の灯りと海との区別もつかず、有人島の光に吸い寄せられます。この10年近く、父島の港に小笠原村が設置しているガジュマルのクリスマスの電飾は、オナガミズナギドリの巣立ち完了を待ってから灯されるようになりました。クリスマスの音楽演奏や、海鳥解説なども行います。