2005年

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元気に飛び立つオナガミズナギドリ

11月20日頃より始まった、今年のオナガミズナギドリの巣立ちも、そろそろお終いのようです。島の方々のご協力により、父島では約30羽の巣立ち鳥が保護され、3羽を除いて無事に野生復帰しました。死亡の内訳は、人工建造物衝突2羽、交通事故1羽でした。昨年度よりはじめた夜間パトロールと、夜のうちに不時着鳥を保護してくれる人が増えたために、驚くほど交通事故が減りました。例年この時期には、清瀬交差点、生協前、福祉センター&三角広場付近、奥村グランドトイレ前などの路上で、哀れな交通事故死体が見られていたのですが、今年、路上で潰れているものは見ませんでした。また、早期回収はネコ害も減らしました。3羽は、まさにネコに狙われているところを保護されました。父島全体では、恐らくi-Boで把握している2〜3倍以上の不時着があったものと予想されますが、少なくとも集落地域におけるオナガミズナギドリ巣立ち鳥の人為的事故を減らせたことは、大きな成果です。なお、この期間、父島の国立天文台VERA小笠原観測局のパラボラアンテナ照明及び、小笠原ビジターセンターの外灯において、光による海鳥の誘引を防ぐために、ライトダウン等のご協力を頂きました。大感謝です。どうもありがとうございました。地味ながら、野生動物との共存とは、こんな小さな生活上の工夫や取り組みの積み重ねが必要なのではないか、と思います。
ご協力頂いた島のみなさま、まことにありがとうございました。

●回収協力:KOTARO&CHIKAKO、PAPAYA、小笠原海洋センター、小笠原水産センター、Solmar、WEST、小笠原父島漁協、さなえちゃん、YATSUKAさん、YUKINO&NORIさん、太田さん、K.WADA、キャベツビーチ、中野さん、ウォーキング中ののどなたか、横山さん、はるみさん、MOCHIKENさん、城本さん、千喜良さん、玉田さん、紀さん、ほか沢山の方々、
●チラシ掲示協力:たらふく、ふくちゃん、マルヒ、小祝商店、RAO、KAIZIN、Solmar、悠々、海遊、パパイアマート、PAPA’S、小笠原島農協、沖山酒店、ビーチコマ、小笠原島生協、小笠原父島漁協、父島分遣隊、小笠原小&中学校、小笠原警察、小笠原観光協会、OWA、東京電力、BIO、小笠原水産センター、NACS-J-O、小笠原野生生物研究会、小笠原支庁産業課

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ライトアップされた壁面に激突・落下し、
脳震盪などで動けないオナガミズナギドリ

さて、今年のオナガミズナギドリの巣立ちは26日頃より今日あたりがピークだったようです。とは言え、まだ12月第1週目くらいまでは不時着は続くと思いますが。当研究所による同種の巣立ち鳥の保護は、今朝までにちょうど20羽を数えました。多くの方の発見通報や、ダンボール収容のお陰で、一昨年まで目に付いた交通事故死体(道路上)や、ネコにやられて尾がとれてしまった重傷個体などを、ほとんど見ずに来ています。これは劇的な変化です! 20羽中激突などにより重傷を負ってしまった3羽を除き、17羽が無事海へ帰りました。このうちの2羽はまさにネコに狙われている最中でした。8月から「せっせ、せっせ」と育てられたヒナ達。自然の要因での死亡は、そのまま野生で生き抜く厳しさと同義ですが、人の生活との軋轢で、命を落とす鳥たちは、1羽でも助けたいものです。

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周知のためのポスター

今年も、オナガミズナギドリの巣立ちの季節となりました。昨日より父島・母島で同種の夜間不時着が相次いでいます。いずれも後頭部や腹下などに綿毛をわずかに残す、今年の巣立ち鳥です。強い白熱灯や、街灯でライトアップされている建物などにぶつかります。脳震盪をおこしている鳥も多く、そのまま放置すると、ネコや交通事故で命を落とす可能性大です。発見した方は当研究所までご連絡ください。

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15日ぶりの復帰

昨日13日(日)の夕方、カツオドリを放鳥しました。保護から15日目のことでした。4日ほど前から、嘴を器用に使って餌のムロアジ(死んでるけど)を掴んで、飲み込めるようになりました。あとは、自然下で生きた魚をゲットできるかどうかです。すなわち、自分が弱るより前に、嘴だけでくわえ、動く魚を逃がさない加減を習得することが出来るかどうかです。この鳥の運と根性に!?まかせましょう。

Thanks Miss PAPAYA

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シメ(左)イカル(右)

珍しく、最近こまめに更新しているこのコーナーですが、それだけ珍客が多い、のです。一昨日、父島で拾われたシメの死体が届けられました。年によりますが、この頃になると見ることがあります。一昨年だかは、扇浦のモクマオウの樹下で複数がしばらく滞在してました。今のところ、まだ、観察例はこの1羽のみですが、他にいてもおかしくないですね。また、同じ日に、夜明道路でイカルも見ました。こちらも1羽でしたが、個人的には小笠原での初観察でした。2羽も続けて大きなフィンチ嘴の鳥を見ると、こう思いました。「もしも、オガサワラマシコが絶滅せずに、今も生き残っていたら・・山歩きももっと楽しいものだったろうなぁ

thanks Mr.Mathumoto


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