レスキュー

Picture

父島列島は南島と東島が、大切な繁殖地です。

アナドリの巣立ち鳥が保護されました。島内のミズナギドリ類の不時着コアポイントのひとつのお馴染みさんから、早朝電話がありました。少し遅れて到着しましたが、手慣れたものですでにダンボールに入れてありました。10月末の無人島の調査で、モニタリング中の巣穴には、まだアナドリがおりました。今年は少し遅めかもしれません。でも、おそらく、この嵐で、だいたい巣立ったのではないでしょうか。父島、母島のみなさま、アナドリが不時着してくる可能性があります。ご注意を。

Picture

元気に海にかえったシロハラミズナギドリ
ビジターセンターのお客さまにもご覧頂きました

27日にシロハラミズナギドリが2羽保護されました。いずれも悪天候下で、集落の人工照明に吸い寄せられての不時着と考えられました。それにしても、この時期にシロハラミズナギ・・・。ここ10年以上、「今年はなんか変じゃないか?」というのが、島民の挨拶にもなっていましたが・・・コトシハホントニヘンです。アオウミガメが秋口まで交尾をしていたり、ムロアジが釣れるのが、ものすごく遅れたり、生物暦はズレズレです。シロハラも、この時期の保護は大変に珍しいこと。ミヤマガラスの大群と同じく、おそらくは、最近の発達した低気圧のせいで、「たまたま」のことと思われますが、「たまたま」が「たまたま」重なっていくような事象に対しては、実は統計的に物がいえるほど自然科学はデータを持っていません。いろいろ考えさせてくれるシロハラミズナギドリでした。ところで、ミヤマガラスは父島では30羽以上が、母島でも10羽以上が確認されています。

Picture

ピントがカゴに・・・・

ここのところ当研究所には、中期の居候が複数おりました。激突(車)メジロ2羽、激突(電線)オナガミズナギドリ1羽、絡まりオオコウモリ1頭。今週になって、オオコウモリが無事に野生復帰、そして今日メジロも1羽戻りました(1羽は死亡)。残るのは昨晩運ばれてきたイソヒヨドリのヒナ(ネコに襲われた)と、5月19日にやってきたオナガミズナギドリになりました。メジロ以外については、また改めてご紹介します。

Picture

写真は、車にぶつかって
運ばれてきたメジロです。

車道を低く横切って、車に接触するメジロが増えています。梅雨開け間近の島は、まるでサウナのように湿気が すっぽりつつんでいます。羽根アリが飛び、虫も低く飛び、シロヒトリに桑がやられ(地面に毛虫が落ちて)、朝の路上には、夜シロアリに集まって、そのまま車にひかれたヒキガエルが沢山出現するこの季節。メジロも、ヒヨドリも、イソヒヨドリもノスリも、地上に降りる姿を良く見ます。

Picture

昨夜のこと、「港付近に海鳥が」との連絡を受け、駆け付けると、今年何羽目だろう!? と言いたくなるシロハラミズナギドリが待っていました。港湾の強い照明に不時着したもようです。小笠原は、急速に梅雨開けにむかっている気配です。今年は、いろいろな気がかりがあるので、出来る限り太平洋上に梅雨前線がとどまればよいなぁ などと考えていましたが、うらはらに例年にない、早い梅雨開け、逆に内地には梅雨入りになりそうです。保護の翌日、梅雨開けを感じさせる海空へ、元気にシロハラは飛んでいきました。

thanks MIYUKOさん