レスキュー

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海の色も もう夏

6月末に、火山列島の総合調査よりもどりました。IBOでは鳥類(とくに海鳥類)、哺乳類(オオコウモリ)、海洋生物などを担当。ふだんレスキューしている海鳥たちの貴重な繁殖地での調査を行うことが出来ました。(この結果は、いずれHPやシンポジムなどで報告の予定です。→もちろんご紹介します)さて、私たちが火山列島に行っている2週間弱で、ようやく小笠原諸島は梅雨明けの気配となりました。帰島後、産卵を間近に控えたオナガミズナギドリが相次いで保護されました。いよいよ、オナガミズナギドリやアナドリなど夏繁殖の海鳥の子育てが始まります。

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くちばし下のとんがりと、
羽ばたきで どんなところでも
パタパタフワフワ登っていく。
繁殖地の木登りさながらに。

例年になく、気温の低い梅雨が続いています。今日はまるで4月の中旬のようにガスが父島をすっぽりと覆ってしまいました。長く続いた雨を、島にいると見えないお日様が、徐々に水蒸気に変えているのでしょう。で、今年の梅雨ですが、シロハララッシュです。今年の巣立ち鳥と思われるフトッチョ達が、相次ぎ20羽ににも迫ろうか、という勢いです。そんな梅雨明け秒読みの暦となりましたが、明日から12日間、火山列島の調査で研究所は不在となります。残ったスタッフでレスキューが続きますが、このコーナーは、またしばし休止となります。戻りましたら、なるべく早く更新しようと思います。

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ネコに襲われているところを保護されたが・・
20070508

3ヶ月のご無沙汰です。毎度のこととはいえ、担当者の気まぐれ面目ございません。
お休みしてしまった3月から6月と言えば、春から梅雨への時期。冬繁殖の海鳥が巣立ち、夏繁殖の海鳥が飛来する、そう上半期のレスキュー最盛時期でありました。少しご紹介すると、4月には、相次いでシロハラミズナギドリが保護されました。5月GW前後がピークでしたが、まだチラホラ不時着が続いています。これまでもお伝えしているように、多くのものは、人工照明(光への誘引と思われる)や電線(逆に見えなかった可能性がある)への衝突で、さらに不時着後ネコに襲われた個体も運び込まれました。

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動きはとてもゆっくり、
歯は驚くほど摩耗していた20070430

4月末の雨の父島、いつも調査でお世話になっている農家の方から電話がありました。「オオコウモリが木から落ちた!、来てくれ!」 現場ではクワノキの根もとで、グッタリと翼を開いてうつぶせに頭を投げているオオコウモリが震えていました。体温も下がっており、すぐに保護。ケアが始まりました。が、どうも、いつもと様子が違う。保護コウモリが少しだけ落ち着きを取り戻した後に、よくよく観察すると、これは大変なオバアオオコウモリであることがわかりました(歯は摩耗、皮膜はシワシワ、毛も薄く、四肢も弱い)。栄養と保温、補液などで、徐々に復活したオバァオオコウモリは、ヨイヨイではありましたが、2週間以上にわたり穏やかな小康状態を保った後、大往生?!となりました。10年以上、オガサワラオオコウモリを見てきてましたが、はじめてのオオバアサンでした。
(天然記念物・RDB種ĄA類であるオガサワラオオコウモリの保護は関係行政機関の現任を得て、当研究所に依頼されて実施しているものです

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衝突だけで逝ってしまうシロハラも多い。

つい先日、シロハラミズナギドリが持ちこまれました。ネコに狙われているところを助けらたのですが、額に激しくぶつかった痕が見られます。まずは、人工構造物に接触し、墜落。その後、動けないでいるところをネコに見つかり・・・これは、父島・母島の集落地における典型的なパターンのひとつです。通りがかりの人に保護されたこのシロハラは幸運でした。数日を要しましたが、バランスも良く羽ばたいて海に帰りました。