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 保護後はじめて水浴させると、思い
出したように羽つくろいをはじめた。

アホウドリ類や、アカガシラカラスバトの調査で、忙しく冬を過ごすうちに、気が付けばなんと新年度となってしまいました。小笠原の学校も今日が入学式、なかなか情報up出来ずにゴメンナサイ。翼負傷のセグロミズナギをお伝えした後、今日までにアナドリ、ムナグロ、オオセグロカモメ、トラツグミ、アマサギなどが保護されました。そしてシロハラミズナギドリも3羽保護されました。うち2羽は4月に入ってからの保護で、ともに右翼の付け根を強くぶつけた様子で、1羽の羽は脱落寸前です。残念なことに、2羽とも第一発見者が不明で、詳細な状況がわかりませんが、怪我の状態と、部位、カ所数から、2月のセグロミズナギドリと同じく、夜間の電線衝突による負傷の可能性が高いと考えています。希少種を含む海鳥の繁殖地に近い小笠原諸島。人の暮らしのちょっとした変化に、多くの動物たちはついてこれません。「生き物にも優しい環境づくり」、この言葉は小笠原では切実な意味があります。

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針が刺さった箇所とはずしたルアー

2月3日父島二見湾内で、動けないオオセグロカモメ(若鳥)が保護されました。このオオセグロは中型のルアーに絡まっており、左右の翼を含む計5カ所に針が貫通し、全く羽ばたけない状態でした。針先の「かえし」をペンチで落としてルアーを外しましたが深い傷を負いました。数日後に放鳥するも、再び保護され、後日衰弱し死亡しました。自ら、釣り人の餌(ルアー)に突っ込んだものと思われますが、引っかかった直後に連絡があれば、また違った展開になったかもしれません。釣り針に海鳥などが絡まった場合に糸を切ってしまうと、さらに二次的に絡まって死亡する可能性が高くなります。小笠原近海で同様な行動が考えられるものとして、カツオドリや稀に姿を見せるオオグンカンドリなど希少な鳥もいます。どうぞ、糸を切らすにご連絡を!

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翼を負傷したセグロミズナギドリ

2月9日、奥村グランド近くに、ミズナギドリがいる との連絡で駆けつけると、それは希少種のセグロミズナギドリでした。右翼から血を流しており、翼の付け根部分が、鋭い裂傷下で開放骨折しており、右翼は皮一枚でつながっている状況でした。あらぬ方向を向く翼は歩行のじゃまになる上に、痛いのでしょう、さかんに自分で患部に噛みついてパニック状態になっていました。皮1枚の翼を切り取り、安静にして数日を過ごしましたが残念ながら死亡しました。翼の負傷は、傷や骨折の状況から、電線への衝突した可能性が高いと判断されました。
人工構造物(建造物、電線、照明)に激突死亡・負傷する海鳥は多く、その中にはこのセグロミズナギドリのように絶滅危惧種も含まれています。

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保護されたシロハラミズナギドリ

今日は、ものすごい大嵐。ははじま丸は欠航し、二見湾内で沖留めしています。いつも青い湾内は緑白色に濁り、大波が押し寄せています。湾の外は6m以上の波。まさに台風なみ。悪天候の影響もあるのでしょう、シロハラミズナギドリが父島で保護されました。昨日、母島で保護されたばかりでもあり、おもに冬期に見られるこの鳥の、小笠原群島近海への飛来が始まった証拠でしょう。いつもはシロハラミズナギやセグロミズナギが保護されると、とても小さく感じるのですが(オナガミズナギに比べて)、ここのところPuffinus assimilisを見慣れていたので、いつになく大きく感じました。発見は、大きいシロハラのほうが足が細いこと、大きさに対してシロハラのほうが体重がない(小さいassimilisのほうがつまっている(丸まる体形)であることなどでした。

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12月11日に父島集落地で保護されたオナガミズナギドリ

11月末から12月にかけては、小笠原諸島で繁殖するこの海鳥の巣立ち時期であることが、最近の調査でわかってきました。巣立ち鳥には、頭頂、頚まわり、お腹の下など、クチバシが届かない部分に、ヒナの名残の綿毛を残しているものが多いのです。この鳥も見事な?ヒナの証拠を残しています。小笠原で繁殖する中型海鳥としては、最大の規模の繁殖を誇るオナガミズナギドリですが、巣立った後の行動はいまだ多くの謎につつまれています。有人島へは、人工照明に引き寄せられて飛来すると考えられています。