ガーコ

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飛び始めたガーコ

脱走が、本格的な飛行訓練に変わりました。はじめて数時間に渡り姿が見えなくなったのは9月18日でした。この時は、お昼から行方不明になって、夕方に保護場所より数百メートル離れた場所で発見されたのでヨチヨチ歩きの脱走かと考えました。しかし、二見湾内黒岩での目撃例もあって、これが初フライトであることがわかりました。真っ白い綿毛に、風切のみが黒い姿で保護されてから約40日のことでした。この日から、右足に自然文化研究所の連絡先を記したテープ標識をつけました。

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ガーコ(9/20撮影)

9月18日以降、ふいにどこかに飛び去り、夕方までに保護場所付近に戻るパターンが数日続きました。写真は初フライトから3日目の9月20日。飛行を終えて戻ってきたが、失敗して近くの草むらに突っ込んだところです。今、父島列島で最大のカツオドリの繁殖地南島でも、もっとも早いヒナが、ほぼ同じ成長具合で、危なっかしくも果敢に、飛び始めているものも見られるようになりました。大型の海鳥は、生存率が高く、寿命も長い(十数年〜数十年)ものが多いのですが、もっとも命を落とす危険が高い時期は、初飛行から一人前になるまでの間と考えられています。ガーコもいよいよ本格復帰へのトライ&エラーが始まりました。

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成長したガーコの姿

ミズナギドリやアホウドリ達は、自分より大きく育ったヒナを残して、ある日突然に繁殖地を去ってしまいます。ヒナは、完全に取り残されて、充分に蓄えられた皮下脂肪を消費しながら、巣立ちの時期をひとりで迎えます。カツオドリは、少しちがって初飛行後も、しばらくの間は、親鳥から餌をもらっているようです。しかし、陸鳥のようにずっと親鳥の跡をついてまわり餌の捕り方を習うということはありません。写真は、すっかりスリムになり、成鳥と見間違うほど立派になったガーコ。しかし、初心者マークのごとく、まだお腹だけは茶褐色です。おぼつかない試運転飛行中、どこかに激突したのか?額と後頭部に怪我をして、すっかり毛がないところが見られます。

 ごぶさたしました。10日近くお休みしてしまいました。この間、新しく持ち込まれる鳥はいなかったのですが、日々成長するガーコ(カツオドリ)に追われて、UPが遅れてしまいました、すいません。9月23日現在、ガーコはかわらず健在です。9月初旬より始まった羽ばたき練習は、12日ころから本格的なものになり、これまで落ち着いていた飼育スペースから、突然に脱走を繰り返すようになりました。そこで、巣ペース を広げて高台をつくり、ジャンプ等、飛行のまねごとが出きるようにしました。しかし、落ち着いたのもつかの間。14日ころには、すでに新しい囲いも飛び越えてあたりを徘徊するようになりました。このころには、お腹の茶色(成鳥では真っ白)を除けば、もうすっかり成鳥同然にまでになり、いつ初飛行してもおかしくない。という状態になっていました。

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ガーコ(9/3撮影)

本格的羽ばたき練習開始! 数十秒毎の繰り返しですが、風がくると、そちらに向かいさかん力強い羽ばたきをします。時には、足が、少しだけ持ち上がることもありました。ドンドン練習して、飛ぶための筋力をつけなければなりません。いよいよ最終ステージの始まりです。