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春は、クロポッポ受難の季節です。独り立ちして、おそらく半年以内。春に餌の多い、海岸沿いや低標高地に多く出現します。そこは結果的に、人の利用が多い場所でもあり、建物衝突、ガラス衝突、交通事故、電線事故等で、毎年10羽近い若鳥が成鳥になれずに命を落としています。ガラスに映り込みのある場所、陰影(凸凹のある)建物の構造を、森の陰影と見間違い飛び込むケース、猛禽類の狩り場にネットがある場合など、いろいろなパターンが考えられていますが、人の工夫で改善出来る場所では、積極的に改良したいものです。

春の珍事。父島でレースバトが発見、確保されました。脚環が着いていることから、とりあえず警察へ。通常どおり国内のハトであれば、日本鳩レース協会や、日本伝書鳩協会のいずれかに所属する飼い主さんの鳥となります。レースバトは、人為的に放鳥された鳥で、ドバトの発生源とも言われていることから、飼い主さんが自ら回収することが国内の通例です。しかし、この鳩。国内で使用されていない脚環をつけており、外国由来と考えられました。どうしようもない場合には、やむなく保護地で放鳥される場合もあるようですが、小笠原には、それは出来ない理由があります。レースバトの学名はカワラバトColumba livia(日本では外来種)で、アカガシラカラスバトColumba janthina nitensとは理論的には交雑可能。又、外からの病気や寄生虫の持ち込みの危険もあるので、現地放鳥はNGなのです。幸運が重なったこの鳩は、引き取り者がおり、内地へ渡っていきました。ここ約30年弱の間に、国内のレースバトでは1〜2年に1度程度割合で飛来事例があります。外国産は本件で2例目。小笠原諸島が海洋島であることと同時に、頻度は低くとも、このような事が起きるのが自然界なのだ、と実感する事例でした。このレース鳩については、非常に多くの方々にご協力頂きました。お名前は記しませんが、厚く御礼申し上げます。

母島からの帰り、おっ!アカアシだ、と思った瞬間に、自分でワオ-となってしまいました。人生2度目のナスカカツオドリ。しかも初回は去年。この冬から初春にかけて、何度も父母を往復しているのに、唯一今日に限って、一眼レフを持っていませんでした。タッチパネルのセンサーがイカれてしまっている旧型のスマホで必死に追いかけました。今年は、ザトウクジラの北帰行がえらく早いみたいで、まるでGW頃のようなシブさでしたが、余りある出現でした!

11月末から長逗留のオナガミズナギドリがいます。光に迷い、父島に飛来し、建物等に強く激突して片足に麻痺が出ました。通常は、次第に衰弱していくのですが、この個体は致命傷にならずに、体力は維持していたようで、ここまで来ました。全ての個体にこれが試行できるかわかりませんが、獣医さん(主治医)とも相談して、テストケースとして、チャレンジしています。まずは、バットプールでの水浴を再開しました。

この半年、父島の特定箇所で、オオコウモリの死体回収が続いています。死体からは衝突などが疑われますが、まだ、原因がわかっていません。


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