2003年

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つかのまの平安

雲はあるも晴天。ひさしぶりに日なたはポカポカ。アオリイカ釣りのシーズンもいよいよ本格的に開幕。学校を引けた子供が自転車連ねて海へ向かう。夕日が傾きその子供達がかえる頃、仕事が終わった大人がバケ(エビの形の疑似餌)と竿を持ってやってきます。ところで、今がピークのナベヅル死亡説の大きさは、その分だけ、ちゃんと見分けていた人が以外に少なかったことを表していますが、影武者のようなアオサギの死のせいか、最近は忘れられて平安な日々が戻りつつあるナベヅル。今日は、ひっさびさのM農園の大きい6アノールに興奮気味。雑穀も食べました。

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生きていますよ!

荒天につぐ荒天のお正月休みが終わりました。島の中では、官庁などを中心に仕事再開もあれば、マリンレジャーや山歩きガイドなどの観光関連業や商店などのように、今日からようやくお正月休みといった人たちもいます。さて、ナベヅルですが、今日は町のはずれで見ることができました。この季節、日増しに貴重品になる3アノールを平らげ、雑穀も頂きました。体調など悪そうなかんじはありません。今日は人気もなく安心したのか、久しぶりに羽づくろいをしているところを見れました。二見湾で オオセグロカモメとおぼしき鳥が飛んでいました。小笠原もいよいよ本格的に冬突入です。年末28日の船便で今季のインフルエンザが父島に上陸したとのこと。まだこれらからのようですが気を付けましょう。また1月2日にお伝えしたアオサギ死亡は、父島でナベヅル死亡説となって猛威を振るっているようです。あの後会った人には話したんだけれどもなー。島ではあんまりHP読まれていないってことなのね。死亡説は今がピーク。

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安住の地はいずこ?

曇り、雨、風。小笠原のお正月は結局ずっと悪天候続きでした。ナベヅルはそんな天気の中を今日も飛んでいました。M農園の2アノールと、ひさびさのミミズ15をガツガツと平らげて穀物も啄んでいました。少し、飢えている「かんじ」がします。また、給餌の最中でも、数台の車やある程度まとまった人影が見えると、とたんに落ち着かなくなり、飛んで、降りてを繰り返していました。どうやら前のように長時間、洲崎に戻ることはなさそうです。かといって今飛び歩いている町場の周辺にも安心はしていないようです。

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上空を飛ぶナベヅル

晴れ&曇り、雲多く時おり雨パラつく。一日中北よりの強風。
ナベヅルはとにかく飛んでいました。洲崎、旭山、大神山、三日月山などの上空をひたすら飛んでいました。今日はお正月で島の凧揚げがあって、午前中は小笠原と縁の深い八丈島ゆかりの為朝凧(今では絵柄はそれぞれ)が空高く揚っていました。250mの糸を出し切っている凧もあったので(斜めだけど)、それからするとナベヅルの高度は、ゆうに500〜600mは越えていたと思います。ナベヅルは父島の北側上空を飛ぶばかりでなく、時折、兄島の見返り山までも達していました。何度か、上空の制空権を巡って、父島や兄島のオガサワラノスリがスクランブル発進するのが見られました。
観察中、ナベヅルが町のはずれに降りました。遠くから、ウインドブレーカー(11月から観察中は同じ上着)を見つけ、ゆっくり歩いて寄ってくると、ひさびさの10アノールと穀物をあっという間に平らげ、まだ足りないとヨダレだらだらのまま、しばらくたたずんでいました。無反応のままでいるとやがて歩き出して、草の根をほじったり、(おそらく)虫を捕まえたりしていました。
しかし、時折くる複数の車や集団の人には遠くから反応し、その都度飛び上ってしまうのでした。そして、ひたすら上空を飛び続け、人や車が去るとまた降りてくるということを観察中ずっと繰り返しました。年末年始の洲崎で車やバイクに追い立てられたり、あるいは実際に身の危険を感じることがあったのかもしれません。安心できる場所が決まるまで、しばらくの間、特にそっとしておく必要があります。明日の船が出ると島には静けさが戻ります。町の近くには、犬やネコも多いので人が去って静かになれば、洲崎もこの点では安全なのですが。

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ナベヅルのかわり?今日のチュウサギ

天気晴れ。しかし一日中強風止まず。湾内に風波が立つ状態。今日はちょっとドキドキでした。午前中、洲崎、扇浦、西町など見回るも発見できず。どこいったかなーと思っていた夕方、洲崎でツルの死体を見たという連絡が入りました。しかも複数情報。場所はナベヅルがよく歩いていた道の脇らしい。あわてて軽トラを飛ばしました。途中「昨日あれだけ飛んでいたのに・・・おかしい、やっぱり観光客との交通事故か?」、「もしまだ生きていたら、早速介護開始だ・・・」「でもあのサイズのゲージはない、どうする」「また例によって官庁は休みだ・・」など、いろんなことが頭をよぎり・・・そんなことしてるうちに洲崎へ到着。ツルの出現場所より少し先の道脇の草むらに倒れている大きな水鳥。羽の色はそっくりながら、それは「アオサギ」の死体でした。栄養失調で行き倒れたのでしょう。私たちの研究所が把握しているだけで、この秋から冬3例目のアオサギの行き倒れでした。
年末から洲崎でも観光バイク等の交通量は増え、周知版など出したものの、ツルが戻れば、いつ出会い頭の事故が起きてもおかしくない日が続いています。
=====小笠原お家事情1=====
大自然の島、固有種の島として「有名」な小笠原.ここに生きる多くの野生生物が天然記念物や絶滅危惧種などになっています。しかし、交通事故や衰弱などで保護が必要となった場合に、動物を収容する施設は小笠原にはまったくありません。さしあたり、ナベヅルが衰弱し保護収容を検討しなければならない事態になった時、いきなり困るのが「ゲージ」がない、という現実なのです。


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