2004年

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すっくと立った姿

一時、4.6kgにまで達した体重の増加が止まりました。首はすっくりと伸びるようになり、後頸部のだるさもとれたようです。羽も背中で盛り上がり、翼力も徐々に復活してきているのでしょう。しかし、室内のしかもレスキュー用ではないゲージの中での一時飼育も26日目を迎えるにあたり、ストレスや、さまざまな病気などの心配も出てくる時期となりました。食欲も減退気味で、当初目標としていた5.0kgにはまだまだ及ばぬ状況ですが、これ以上の南の島(小笠原)での飼養はリスクも増してくるため、体力のあるうちに福島県鳥獣保護センターへ搬送することを決定しました。11日父島出航の「おがさわら丸」です。

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ただいま水浴び中

コハクチョウは体重が4.5kg近くになり、力も強く、威嚇も増して、順調な回復を見せています。
12月後半からは水浴びも解禁となりました。特に初めての水浴びの際には、生きる意欲と自分が水鳥であることを思い出したかのように、一心不乱に身体全体を水面に打ち付け、やがて汚れた尾羽からお腹、胸などを入念に入念に、器用に嘴を使いシゴクように洗っていました。

あけましておめでとうございます。
 小笠原は、ここ数年では一番ではないか? という穏やかで暖かなお正月を迎えました。昨年、「今日のナベヅル」に始まり、ガーコ(カツオドリ)騒動あり、メジロ、ヒヨドリの長期飼養あり、そしてオオコウモリの保護あり、常連のミズナギドリ類の保護あり、アカガシラサギで驚いたら、なんとコハクチョウまで登場! 当研究所の2003年の野生鳥獣保護件数は70件を越えました。昨年の最後の仕事は昨夜のそのコハクチョウの世話。そして、今年一番最初の仕事もコハクチョウのゲージの清掃&給餌でした。小笠原でナベヅルにコハクチョウとは、ちょっと複雑な気持ちですが、野生鳥獣救護のノウハウ蓄積の少ない小笠原では、今後の絶滅危惧種や在来種等の保護や保全のために、これらのデータや技術の蓄積が今必要なのです。さてさて、本年もよろしくお願いいたします。


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