2006年

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長く続いて欲しいこの天気。
頑張れ小笠原高気圧(今年は、どこ?)

ここ数日、やっと小笠原らしい「べた凪」続き。毎年常連の旅鳥キョウジョシギが、はは丸岸壁や、前浜(父島)で群れていました。

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ヒナがかえると親鳥は大変、雌雄ともに海へ出て、餌
をヒナに運びます。無事にヒナが待っていますように。

父島扇浦より「海鳥不時着」の連絡がありました。行くとすでに”ダンボールに入れられたオナガミズナギドリ”が待っていました。人工灯りに寄せられて建物に衝突したもよう、大きな外傷はなく、半日様子を見ましたが脳などへの障害もなさそうなので、夕方に灯りの見えない海岸から無事に放鳥しました。今は子育ての真っ最中。多くの島々の穴の中で、ふ化して間もない白い綿毛に包まれたヒナが親鳥の帰りを待っているはずです。

Thanks HOTELホライズン

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これまで扱った旅鳥の中で、もっとも痩せていたセイタカシギ。
死体でも間近で見ることは稀です。

大変に「ま」が開いてしました。前回の書き込みは梅雨時期で、例年同様のオナガミナズギドリやシロハラミズナギドリの保護が相次ぎ、それが一段落した頃でした。そして、今はもう夏。それも盆踊りも過ぎ去った8月末。でも、このコーナーをさぼっていた間もレスキューがお休みしていたわけではありません(言い訳)。雨のこない空梅雨ぎみの梅雨があけ、6月末から7月に入ると、例年通りメジロやトラツグミの巣立ちヒナを見かけました。ただし、今年は嬉しいことに、トラツグミの誤保護が少なく、路上で発見された個体も場所が詳細にわかっていたため、無事に親鳥のもとに戻すことができました。良い夏になりそうだ、などと言っていた矢先。7月に入ると、なにやら台風・台風・また台風・・・。直撃などはないものの、相次ぐ荒天、雲があぐらをかいているような小笠原のべた凪のない夏になってしまいました。きっと、多くの旅鳥も、巻き込まれたことと思います。
さて、数日、嫁島、父島、南島、母島などで、複数の群れが観察されています。写真の個体は残念ながら運ばれた後に死亡しました。なかなか近くで、まじまじと見ることはない鳥です。セイタカシギ。

Thanks MissPAPAYA号

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元気に飛び立つシロハラミズナギドリ

5月後半、5月25日をすぎてもシロハラミズナギドリの不時着が続いています。電線などの人工建造物への衝突個体も多く、復帰率は半分程度。ひさしぶりに続く死亡個体。いずれも自然の摂理の死ではなく、人間生活との軋轢死。さらに、おそらく、みんなこの冬に生まれて、これから大海原に向かう若鳥たちばかり。忙しい仕事が続いていた傍らで、ちょっとやりきれない気持ちになりました。それでも発見者のおかげで、有人島のトラブルに巻き込まれることなく、元気にかえっていったシラハラも3羽もいます。

Thanks トッシー、みづきちゃん、YOKOYAMAsan、ネコサンfamily

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片翼を骨折したシロハラミズナギドリ

今年は空梅雨か? と思わせる晴天が続いています。かといって完全な真夏日というところまではいかず、夜には湿気を含んだうすいガスが父島にたなびくように かかっています。そんな空梅雨陽気が安定? しだした5月20日もすぎたころ。シロハラミズナギドリが相次いで保護されるようになりました。この鳥は、翼の付け根をほぼピンポイントで強打しており、開放骨折に近い重傷で島では助かる手だてはありません。場所は、奥村グランドのあたり、湾口から侵入して、電線に衝突したことが考えられます。毎年、事故の起きる場所。なんとか、対策を講じたいところですが・・・。

Thanks ISHI-kun