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写真は2005年1月 過去ログもみてね

2011年のオナガミズナギドリ巣立ち ほぼ完了のうれしさから、立て続けの海鳥談義が続きました。(情報出すとき立て続け! ドカンとお休み にしないで、平均的に情報発信しないさい!! と怒られているのですが・・・なかなかなおりません。スイマセン) ひらきなおって もうひとつ、新しい可能性を秘めたミズナギドリの小話を!
これまでに小笠原諸島では、種不明の小型ミズナギドリが複数見つかっています。その一例は、2005年の本コーナーで、「種が特定できないがヒメミズナギドリの可能性が高い海鳥の保護事例」としてご紹介しました。(過去ログから2005年1月をご参照あれ!)
暫定的に「ヒメミズナギドリ」とされたものの、形態的な特徴が完全に一致しないことなどから、私たちは、この小型海鳥を「オガサワラヒメミズナギドリ」と呼んでおりました。
さてここで、話の舞台は太平洋を東へ移動します。2011年8月(今年!)のこと、ミッドウェイで1963年に採集された個体をもとにBryan’s Shearwater Puffinus bryani という小型ミズナギドリが新種記載されたのです!!
そして、オガサワラヒメミズナギドリの形態は、この新種にとても似ているのです!!。 現在、私たちは他機関の研究者と共同で、DNAと形態の分析を行っている最中です。結果は、早ければ来春には発表したいと思っています。その際には、このコーナーでも真っ先にお知らせします。

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今年の夜間パトロールでは、オナガナギに混じってオオミズナギドリが保護されました。現在、小笠原諸島に繁殖記録のないオオミズナギドリ。しかし、鳥類遺骨の調査研究(Dr.KAWAKAMI)によって、はるか大昔には、多くのオオミズナギドリが小笠原諸島に繁殖していたことを裏付ける痕跡が確かめられています。過去、現在・・とまだまだ、謎の多い小笠原の自然。たとえば、このオオミズナギドリ1羽でも想像はふくらみます。 現在明らかな繁殖情報からは「伊豆諸島の巣立ち個体」である可能性が高いと推定することが「順当」になりますが・・・、「どこから来たの?」と鳥に聞いてみたい、そんな気分は残りますし、実際に、そんな可能性も完全には否定できないのです。

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小笠原のクリスマスは、
オナガミズナギのヒナが運んでくる!!
本日 10日ライトアップ解禁!

オナガミズナギドリの巣立ちのピークがすぎました。今シーズン父島では、オナガミズナギドリ25羽が保護回収されました。うち23羽が無事に戻っていきました。回収にご協力頂いた方々、注意してくださったみなさま、IBOとともに精力的に夜間パトロールを続けてくださったメンバー、本当にお疲れさまでした。毎年紹介しているオナガミズナギドリなどの巣立ち時期のパトロール。光に集まるミズナギドリ類の習性ゆえにおこる街への不時着と、有人島ゆえのその後(ノラネコや車による)の事故死。これをなんとか少なくしようと、2004年頃から夜間パトロールを始めました。それまでは、いつも朝に見回りをして、自然脱落とは呼べない事故死体に、ため息をついていました。なぜかルーチン化しすぎていて、不時着する夜にパトロールして早期回収することを思いつかなかったのです、なぜか!? 「そっか、そもそも、回収しちゃえば良いんだ!」 と、ある年に気づいてから始まった夜間パトロール。ここ数年でまた少し進歩がありました。巣立ちの季節にライトダウンしてくれる施設や人が、少数ながら出てきたのです。IBOでは、傷病鳥獣対応の目的は、人為の事故を予防することと、データや経験を予防に役立てることと考えています。小笠原は星空日本一だそうです。夜の海を飛ぶ海鳥のためにも、星明かりにうっすら浮かぶ海面を大切にしたいものです。

Thanks  小笠原村産業観光課、ハートロックカフェ、ときわ、ご連絡頂いた島の方々!
Special Thanks MAIKOU, CHIBACHIBA, NAO, JYUJYU

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巣立ち前の鳥(11月初旬)。
綿毛がまだ、身体の各所に残っている。

オナガミズナギドリは、春に南方より飛来し、6月頃に産卵、7月末より8月初旬に孵化、丸4ヶ月の育雛をへて、11月末から12月中旬にかけて巣立ちを迎えます。南島や母島南崎のセンサスから、今年も巣立ちが始まったことが確認されており、すでに、父島、母島島内でも、不時着が出始めています。
一昨年から続く、小笠原支庁、東京都鳥獣保護員さんとIBOによるミスナギドリレスキュー講習会が、父島&母島で開催されました。現在、都鳥獣保護員さん、都レンジャーさん、支庁鳥獣担当者さんたちとともに両島で夜間パトロールを実施しています!! 父島、母島のみなさま、観光でいらしたみなさま、この時期には飲み会への行き帰り、夜のお散歩時など、足下、電灯下などにご注意ください!
なお、巣立ちは12月中旬頃まで続きますが、そろそろ始まる、本格的な冬型の気圧配置の時には要注意で、特に今晩から30日あたりにかけては、低気圧の通過が見込まれることから、不時着のピークとなる可能性もあります。
ご存じのとおり、光に寄せられ有人島に不時着したミズナギドリたちは、本来は朝までに自力で海に戻っていくのですが(本来、不時着はたいした失敗ではない)、有人島では、ネコや車に遭遇して命を落とす 重大事になってしまいます。 このため、夜のうちに段ボール箱などに回収して、翌日放鳥するだけで、今年の巣立ちヒナの無駄な脱落を防ぐことができます。
ミズナギ発見時には、島内に掲示してあるチラシをご覧頂き、IBO(小笠原自然文化研究所事務所)までご連絡くださいませ。
なお、父島では、小笠原ビジターセンター外灯(都)、港ガジュマル電飾(村)
民宿クリスマス電飾(個人)などで、巣立ち時期の終了まで、点灯自粛をしてくださっています。母島でも、できるところで、消灯に協力してくださっています。嬉しいお話です。

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シメを見ていたら、オガサワラマシコは 
まだ生きているに違いない!? と
根拠なく思えてきました

久々にシメが保護されました。もしも、オガサワラマシコが生きていたら・・と夢想させてくれるシメ(いや、もしかしたら、まだ南硫黄にいるかもしれません!)。 このコーナーでは、5年ぶりの紹介ですが、ほぼ毎年11月前後に複数個体が確認されています。少数ながら渡りの経路につかっている群れがいるのかもしれませんし、この時期の気圧配置から流されやすい場所なのかもしれません。嘴が強いこと、口腔から喉の空間が小さいことから、強制給餌はお勧めでないシメですが、保護時は衰弱が強かったためその準備した頃に、思い出したように自力で穀類を食べ始めました。 意識覚醒させるのにCDのシメの鳴き声を利用しました。