レスキュー

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竜骨突起がつまめるくらいに痩せていました.

八瀬川沿いの方から連絡がありました.かけつけると,グッタリとたてなくなったゴイザギでした.身体はまさに「紙のように」軽く,すでに傾眠状態にありました.その姿は旅鳥の過酷なサバイバルを感じさせました.2年前のこの季節,私はおがさわら丸から(父島に戻る際),3羽のゴイサギが何度も何度も船に降りようとしながら,出来ずに遠ざかるのを見たことがあります.渡り鳥にとっての小笠原を考えるとき,かつての水辺環境(河口域であったり,干潟であったり)を想像せずにはいられません.

Thanks てつ家

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一時,集落にアカガシラカラスバト出現!
との噂も出回った.

3月24日,父島で2羽のレース鳩が保護されました.脚環からそれぞれ茨城県と埼玉県の鳩舎のハトで,3月のレースで青森県から飛ばしたことがわかりました.レース鳩の迷い込みは,これまでもたびたびお伝えしていますが,秋から春にかけて,強い台風や低気圧が海沿いを通過する季節に稀に発生する出来事です.ハトもカラスもトンビもいない小笠原.また絶滅危惧種アカガシラカラスバトのいるこの地では,残念ながらレース鳩の居場所はありません.幸いにも立派なオーナーさん達で,ともに快く引き取って頂けました.またこの鳩は4年にわたり小笠原で鳥獣保護等の職務につかれ,この春帰任となった職員ご夫妻に付き添われて,おが丸にのりました.鳩レース協会,(株)小笠原海運さま,いつも本当にありがとうございます.

Special thanks Doi夫妻

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海にも春の明るさが

新たな年度を迎えました.小笠原ではビーデビーデの赤い花が咲き,雨と晴れとを繰り返す春を感じる日々となりました.そして,海からも季節を告げる鳥,オナガミズナギドリの飛来が始まりました.これから12月まで小笠原諸島にとどまり,長い時間をかけて子育てをする親鳥たちです.年度の不時着第一号はさい先よく何事もなく宮之浜から戻りました.

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宮乃浜から兄島を望み、さあ、いざゆかん ってところ
Tさんご家族 ありがとう!

通称・ばくだん低気圧。この時期、台風級に発達して太平洋沿岸を大時化にして東へ抜けてゆく低気圧のことですが、今冬はずいぶん多い感じがします。コーナーへの書き込みを少しお休みしていた間にも、そんな低気圧がいくつか通過。小笠原にも寒風を叩きつけていきました。それでも、次第にその合間の晴天はポカポカ度合いをまして、しずかに確かに春の気配が立ちこめてきました。
この時期に繁殖時期をむかえるオーストンウミツバメが、夜の灯りにまどわされ不時着するのも現代・小笠原の風物詩。そして不時着鳥を放置するとネコや車に命を落とすのも小笠原の現実です。幸いにも大きな怪我もなく、一晩の休息の後に元気に放鳥されました。

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海沿いの風が吹く場所で鳥と一緒に待っていてくれた
Tさんご家族 ありがとう!

父島集落内で、オーストンウミツバメが保護されました。小さく軽い身体に、きれいな燕尾型の尾。1年に1度、約束の地に戻ってくる小さなウミツバメの繁殖時期なりました。小笠原諸島、伊豆鳥島、ミッドウェー諸島などで集団繁殖しています。小笠原では、東島、巽島、聟島鳥島、北之島などで繁殖が確認されています。12月から1月頃にどこからか飛来し、すっかり夏の気配となる5月から6月頃にヒナが巣立ちます。繁殖期以外の海上生活については、まだまだ謎だらけの海鳥です。