レスキュー

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一昨晩、保護がありました。小ぶりの身体にごま塩頭のシロハラミズナギドリ。英名は Bonin Petrel。彼らの不時着がはじまると、小笠原の春到来と、暦がひとつ進んだことを実感します。現在、繁殖が確認されているのは南硫黄島。北之島でも散発的な確認がありますが、安定的な繁殖は確認されていません。森林性で小型なので、ネズミの侵入した島では繁殖が困難です。毎年末11月〜12月に巣立つオナガミズナギドリに比べると圧倒的に、不時着も少数ですが、2月から8月くらいまで、時々保護個体が出ます。とくに天気が悪く、島灯りが、低い雲底を照らしている夜は要注意です。米軍時代までは、ウィロウィロというかわいい呼び名もあったようです(白黒タイプの小型ミズナギドリの呼び名として)。真冬から春にかけての不時着は、やや少ないながら、シロハラミズナギドリ、オガサワラヒメミズナギドリなど、希少なメンバーが交じります。危なそうな夜は、ぜひ気にしてみてください。見つけたらアイボレスキューダイヤルまで。

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11月から続いたオナガミズナギドリ巣立ち鳥の回収では、大変お世話になりました。10月の保護2羽も入れて、12月上旬までに合計30羽が保護されました。保護後の死亡は1羽。怪我を追っている個体4羽で、このうちの2羽は回復し海に戻りました。集計すると父島の2022巣立ちシーズンは、保護回収30羽、野生復帰27羽(12月13日時点)となりました。発見、回収、ライトダウン、広報等にご協力いただいたみなさま、心より御礼申し上げます。
本来、巣立ち鳥が、至近の島々に降り立つことは、なんでもないこと、若者の旅立ちのドタバタの一コマにすぎません。しかし、有人島に降りてしまうと、多くの危険が待っており、命を落とすことも少なくありません。
海鳥の中でも、アホウドリ類やミズナギドリ類は長寿です。とく巣立って最初の1年を乗り切れば、その後の生残率はグッと高くなる、そんなデータもあります。今回、巣立ち時期の危機を乗り越えたミズナギドリたちが、この1年をのりきって、また故郷に戻ってくることをねがいましょう!! ご協力の島のみなさま、本当にありがとうございました!! 感謝!!!

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オナガミズナギドリ(小笠原でもっとも多い、中型海鳥)
毎年春に飛来して、父島列島なら南島はじめ周辺属島、母島列島
なら鰹鳥島はじめ周辺属島で、天然穴や自ら巣穴を掘って営巣す
る海鳥。長い翼は拡げると約90cm。グライダー飛行で羽ばたか
ずに飛ぶのが得意。また、潜水も大得意。

今年も、オナガミズナギドリの巣立ちが始まりました!!
すでに、父母ともに不時着個体が確認されています。
ミズナギドリは正の走光性があり、有人島の人工灯に誘引されることがあります。
無人島と異なり、有人島では不時着時の怪我や、その後の二次的なトラブルで死んでしまうことがあり、
とくに、経験のすくない巣立ち鳥は要注意です。
これからしばらくの間、帰りの夜道や、通勤の朝には、ぜひ注意してみてください。
父島で発見したら、アイボ までご連絡ください。 
( 2ー3779 または レスキューダイヤル 080-2035−8078 まで!)

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今年のぐあい
2022年は、11月末まで、月がどんどん暗くなります(11月24日が新月)。この前後に、低気圧が通過(雨や曇り)すると、一晩で多数の落下が予想されます。

今年は全国的に早く短い梅雨が明けました。

それよりも先に、小笠原はボニンブルーの季節を迎えています。
 そんな中・・・

2022/6/24  父島奥村
何があったのか?尾羽の無い個体が見つかりました。

2022/6/29  父島東町
なんと観光の窓口「Bシップ」へ迷い込み。
ケガはないものの、飛んで行こうとしない・・・

2022/6/30  父島扇浦
夕暮れ、片足ひきずる感じで飛べない個体が保護されました。

2022/7/1  父島奥村
早朝、道路の真ん中で仰向けの個体。

これらはみな、生後2-3ヶ月程度の若い個体でした。
・・・なぜ父島でこんなに事故が続くのか。

彼らはいま河口域や海岸林に餌を求めて出てきているようです。
もし出会ったら、静かに場所をあけてやってください。

もし、車やガラスとの衝突がおこりそうな場合はご連絡ください!


IBO鳥獣レスキュー【父島】 04998-2-3779 小笠原自然文化研究所
 080-2035-8078(夜間・休日)
電話で場所、生死などの状況とお名前を教えてください。
その後は離れても大丈夫です。もし道路上や雨天時の場合は、
路肩や木陰など、安全な場所に移してやってください。

初夏を迎え、第一トンネル前後での事故が3件起きています。
こんな場面もありました。

野生下の餌が少ないと考えられる時期。
旭山から海岸林まで、屏風谷〜奥村を多用しているようです。

運転はゆっくり、もし出会ったらどうぞ道を譲ってください。
でも、急ハンドルはさけてくださいね。人の安全のために。

もしハトが道路から離れないという場合はお電話ください。

それから、
ニワトリを飼っている皆さん、ハトが迷い込んだケースもあります。
小屋の囲いに隙間がないかどうか、どうぞ点検お願いします!


IBO鳥獣レスキュー【父島】
 04998-2-3779 小笠原自然文化研究所 8:00~17:00
 080-2035-8078(夜間・休日)
電話で場所、生死などの状況とお名前を教えてください。
その後は離れても大丈夫です。もし路上や雨天時の場合は、
安全な場所(路肩や木陰など)に移してやってください。

【島在住の方へお願い】 
国内で高病原性鳥インフルエンザが発生しています(人には感染しません!)。
カモ・ツル・ハクチョウ類やカラスなど、島で繁殖していない鳥が弱っていたら
 環境省小笠原自然保護官事務所04998-2-7174 へお知らせください。
繁殖種への感染リスクを減らすため、お手数ですが宜しくお願いします。