レスキュー

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保護されたオナガミズナギドリ

この期間、オナガミズナギドリも保護されました。アナドリと異なり成鳥です。アナドリが巣立ちを迎えるこの時期、今年生まれのオナガミズナギドリ達はまだ穴の中にいます。そろそろ親鳥の姿は見られなくなる頃なので、もしかしたら季節がわりの海上で南下する大集団に会えるかもしれません。例年ですと。11月下旬頃に巣立ちヒナと思われる不時着が集中します。以前もお話ししましたが、外傷等はなくとも、放置すると父島や母島では、車かネコにやられてしまうため、一時的に保護してあげることが必要です。

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保護されたシロハラミズナギドリ

台風通過の前後に悪天候で不時着したオナガミズナギドリ2羽、シロハラミズナギドリ1羽が保護されました。頭部を強くうっている個体もありましたが、幸いどの個体も翼や足、嘴の負傷はありませんでした。大時化の海が落ち着くまで様子をみることにしました。

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「箱から出すと、いきなり飛んだ!」

台風前の9月25日、悪天候の中、オナガミズナギドリの不時着個体が持ち込まれました。電線か建物にぶつかって脳しんとう状態のところを、ネコに襲われて血だらけでした。幸い大きな傷・怪我もなかったので、少々栄養を与えて、一晩安静にしました。台風接近前なので子育ての時期でなければもうしばらく安静にするところですが、まさにこの時期は食欲旺盛なヒナが待っているので翌朝放鳥しました。

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車にひかれたメジロ

最近、梅雨開け後に巣立ったメジロ、ヒヨドリをよく見かけます。尾が伸びきらず、体型も「丸っこく」、見るからにヒナという奴、見かけは成鳥と変わらないのに、ピーピー必死に鳴きながら親鳥を追いかけている奴。みんなまだまだ半人前(餌とりも飛ぶことも)で、ドジを踏みながら成長していく時期なのです。さて、この時期、実を付けているガジュマルやクワノキがあります。鳥にとって最高のレストランですが、同時に危険な場所にもなるのです。夢中になって、地面に落ちた実をついばむ時に悲劇は起こります。写真は、そんな時に車にひかれてしまったメジロです。また。レストランに入ろうと、低く低く道路を横切り飛ぶために車とぶつかる鳥もいます。道路近く、特に曲がり角にあるガジュマルなどは要注意です。鳥との交通事故は決まった場所で集中して発生することが多いのです。鳥の鳴き声や、路面の汚れで、「あ、いまこの木は実がなっていて、鳥が沢山集まっているな」と気付いたら、スピードを落として安全運転を!
※ガジュマル(の実)には、メジロ、ヒヨドリ、トラツグミ(実およびミミズ)、メグロ(母島)、アカガシラカラスバトなどがやってきます。特にアカガシラカラスバトが神出鬼没になる、夏から秋にかけては、町中や主要道路近くであっても注意が必要です。

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メジロ兄弟 放鳥前 写真撮影H.C

7月に保護され、一時父島でのリハビリの後、故郷母島へ戻り最終訓練中とお伝えしたメジロ兄弟ですが、先週無事母島で放鳥されたとの連絡がありました。すっかり羽根も生え揃い立派に成長した放鳥前の写真が送られてきました。心配された足の具合も良くなり、ともにそれぞれ右足に赤、青のリングをつけてヤブの中へ飛んでいったそうです。この兄弟の一時飼養・放鳥までは、母島・父島の多くの方々のご協力によりなされました。みなさんお疲れさまでした。自力での餌とりも覚えているので、怖いのはノラネコだけですが、なんとかたくましく生き抜いて欲しいものです。(リングメジロを目撃したら、当研究所までご連絡を!)