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「死んだ!?」

死んだ! ガーコがやってきてから、何度そう思った、というより叫んだことか。彼らはほんとうにびっくりするくらい脱力して眠ることがあります。繁殖地の調査でも、ごくまれに(こちらが風下の崖上にいるときなど)、人にまったく気付かずに、翼も首も足もみな投げ出して眠りこけるカツオドリを見ることがあります。でも、たいてい鳥が先に気づきますから、この「あられもない姿」を見ることは、まれです。この写真は、首を後方にたたみ、羽の中に器用に突っ込んだ「いわゆる鳥の眠るポーズ」で寝始めたはずが・・・・次第に翼が開き、首も垂れ始めたところです。写真にはとれませんが、やがてこのまま、首は地面に横たえてクチバシは半開き、両翼とも完全に投げ出されて、もうどう見ても死んでいる! としか思えない状態にまで至ります。人が知っている動物の姿は、ほんとうに「少し」だけなのですね。

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その翌日のガーコ

ガーコ6の翌日の撮影! 1日しかちがわないのにお腹がぐんと黒っぽくなりました。クチバシもすらっと伸びてきて「大人の風貌」になりつつあります。あたりには、風にのってフワフ舞い上がっていく白い綿毛がチラホラ。

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羽ばたきをするガーコ

風を感じるとどんどん「羽ばたき!」するようになりました。風に誘われるのも、そのはず! ところどころに白い綿毛が残るものの、立派に羽が揃いつつあります。誰に教えられるわけでもなく、羽ばたきをはじめたガーコ。ヒナから若鳥への大変身ももう間近でしょう。

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風切り羽のみが黒かった「ガーコ」

いよいよ本格的に羽毛(白い綿毛)が抜けはじめ、成鳥へのカウントダウンが始まりました。下から生え揃ってきている成鳥羽のせいでしょう、白い羽毛は浮きぎみで、一日中盛んに羽つくろい というより 毛抜きに夢中です。クチバシの先端には白い毛玉がついていることもしばしばで、なんとも間抜けな風情ですが、これこそがいよいよ大人(成鳥)への階段を上り初めたという証拠でもあります。食欲は旺盛でムロアジやミズン(イワシ)を何本もたいらげます。
ぼろ布、エサのご寄付ご提供大歓迎でお待ちしてます。

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首を伸ばしてお休み中

生き物の形(外部形態)は、しばしばその生物の生活や進化の過程を教えてくれます。海鳥にもいろいろな種類がいて、クチバシの形だけを見てもさまざまです。カツオドリ類は、長くとがった特徴的なクチバシを持っています。小笠原の海では、翼を後方に折りたたみ、まるでひとつの矢のようになって、クチバシから海へダイビングするカツオドリを見かけます。空を飛びながら、透き通った海面下に魚(トビウオ、イワシ、イカなど)を見つけると、ものすごいスピードで垂直にに急降下して一気に捕まえるのです。長く尖ったクチバシは、この水中突入にとても適しています。
写真のような不思議な動作は日常的に見られます。食事後は、まるで飲み込んだ魚を横たえるかのように、朝夕にはまるでストレッチのように、クチバシを預けて首を伸ばします。海の生活に適した海鳥の「姿勢」にも、まだまだ謎が残されているかもしれません。
繁殖地からの落下の時のものか、ガーコのクチバシは深い傷だらけです。