2003年

Picture

2003年1月6日 父島西町でのナベヅル

2002年末に父島洲崎を離れたナベヅルは、その後、二見湾をはさんで対岸の西町の外れに姿を見せるようになった。洲崎の例があったので、具体的な場所については発信を避けたが、このように父島分遣隊基地内で落ち着いて多くの時間を過ごしていた。しかし、複数の車、人、バイクなどの接近には敏感になり、しじゅう基地入り口方面を伺う姿が見られた。

★このコーナーについて
2002年11月から2003年1月末まで小笠原諸島の父島で1羽のナベヅルが観察されました。しかし、2月上旬に姿を消した後、これまで再発見の情報はなく、ナベヅルは、現在はすくなくとも父島周辺にはいないと思われます。標識装着等していないので個体識別は困難ですが、本格的なナベヅルの北帰行の時期を迎え、これまで紹介していない過去の情報(写真)を、現在公開しています。

Picture

1月9日、父島西町

大変おしさしぶりです。はやいモノで2月の最終日になりました。その後もナベヅルの姿は見られません。当研究所が父島でナベヅルを確認できなくなったのは1月27日からです。その後の情報を整理すると1月31日までは父島周辺で観察されており、確実な情報はこれが最後になりました。その後は2月8日までの間に情報はあるものの、なんとも不確かなものでした。また、父島内の他の場所(北袋沢、南袋沢、コペペ、洲崎、等)でもナベヅルを見つけることは出来ませんでした。いずれにしても、「もしかしたら」レベルの情報も含めて、はやければ1月31日、遅くて2月8日を最後に、ナベヅルは父島からは姿を消しました。その後、小笠原群島内では数少ない、開放された水面を持つ場所等(南島や弟島北部、さらには聟島列島等)を、別件調査で訪れる機会がありましたが、ナベヅルの姿はありませんでした。また、父島から南に位置する母島からも、ツル情報は最後まで届きませんでした。
どうやら、小笠原近海にあのナベヅルがいない可能性が大変高くなりました(生死は不明)。時期も明日から3月となり、本土からもナベヅルの北帰行が本格的になる頃となりました。これを機会に、このコーナーの「締めくくり」として? 過去、未掲載の「小笠原のナベヅル(写真)」を、しばらくこの場でご紹介してから終わりにしようと思います。

これまで、多くの情報をお寄せ頂いた方、ミミズやアノール獲りにご協力頂いた方、年末年始に周知版を快く電柱にはらせていただいた東京電力父島営業所さま、そしてこのコーナーに訪れていただいた多くの方々に感謝します。ありがとうございました。あのナベヅルには、標識もないので、個体識別は無理ですが、どこかで、あのツルが生きのびていることを願って。

 このコーナーの主人公は復活せず、いまだ父島では見つかっていません。大きな鳥の目撃情報もその後なく、二見湾内にはオオセグロカモメ、ウミネコなどのカモメ類の姿は目につきますが、飛んでいれば見逃すはずのないナベヅルは見ることができていません。また、父島周辺の他の上方が開放されている水場、草地等として利用すると考えられた南島にも、姿、死体ともありません。年末年始に父島周辺を飛んでいたときには、父島列島の島々は簡単にひとまたぎという様子だったので、周辺の島々にいれば目撃もありそうなものですが。北帰行にはまだはやい、1月末で姿を消したナベヅル。いよいよこのコーナーの「まとめ」に入ります。

 今日も雨、曇り、強風.そしてナベヅルは発見出来ませんでした。今日は少し遅いお正月休みということで これだけです。

 雨・晴れ・曇り。風強い。
 久々の8アノール、すべてM農園の提供。雑穀もよく食べる。

=======これまでの経過第一部(発見〜 11/20)===========
11/7  初発見 父島洲崎、 鳥の死骸をついばんでいるところを目撃。
11/8〜 父島のバードウォッチャー間で目撃情報ではじめる。
11/10 アイボ(当研究所)初観察。
11/12 環境省及び、東京都教育庁へ給餌等の許可のため連絡・了解得る。
     可能な範囲での給餌をする という方向。
    鹿児島・出水ツル博物館等へ給餌物等の情報を聞く。
     アサリむき身、ニワトリ餌 ばらまく・・食べず。
11/13 冷凍イワシ(頭なし)ばらまく・・食べず
11/14 雨、衰弱してくる。立ったままほとんど動かない。
     午後、観察中にミミズを食べたのを確認。
11/15 ミミズを放るも逃げる。入手した殻突きの雑穀食べす。
    それまでの 観察による行動パターンなどから、やり方を工夫してミミズを食べさせることに成功。ワカサギ食べず。ツルのいる場所は、洲崎の残土捨て場及び、生コンプラントのある位置で、ダンプ等の交通量が大変多いところ。ダンプとのニアミスが続き、ツルは驚いて逃げるも飛ばす、洲崎を去ろうとしない。このため、プラント会社に相談し、所属車に注意を呼びかけてもらえることになる。ただし、翌16日には、複数の会社によるプラント利用があり、車の数も大変に多く、連絡も不可能なので、一日限りの見張りを頼まれる。
11/16 ミミズ給餌し食べる。(ミミズ探し始まる)
    ツルの見張りも無事終了。運転手さんも、わかっていて気をつけて運転してくれる人が多い。
    父島で手に入る自生植物の種子等をまくが、見向きもしない。
11/17 ミミズ食べる。
11/18 ミミズは食べる。人の給餌であることを認識。
    ジュズサンゴの赤く小さい果実のみは食べることを発見。
11/19 ミミズ給餌。ジュズサンゴ少々。
    島内の知り合いの協力でミミズを入手するも、 エサ集めが大変なので、ツルを見に来た人にはミミズならあげてもよいことを話すようにする。
11/20 ミミズ給餌。ミミズの代用食を検討し始める。試しにうどんをやるが興味なし。この間、ずっと未舗装道の水溜まりを水場にしている。ダンプ等の往来が激しいが、相変わらず移動する様子はなし。