2004年

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アルビノのヒナ

このオナガミズナギドリは、完全なアルビノ個体で、目も真っ赤でした。昨夏の「小笠原の自然を考える会(事務局:千葉勇人)」の南島カツオドリ調査の際に発見されました。残念ながらその後の消息は不明です。

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珍しい白いオガサワラヒヨドリ

たいへんたいへんのご無沙汰。申し訳ありません。
毎年、1月〜3月の時期は、当研究所のスタッフがそれぞれ取り組んでいるアホウドリ類、アカガシラカラスバト、オガサワラオオコウモリなどの野外調査がピークを迎えて大忙しになります。と、苦しい言い訳はここらへんにして、これから少しづつ、1〜3月間の情報をアップして、ゴールデンウィーク突入前までには、「今」に追いつきたいと思います。さて、さて、過去レスキュー情報up前に、まずは季刊誌i-Bo11号でお伝えした白いシリーズのアップからご紹介です。白いオナガミズナギドリと白いヒヨドリをご覧下さい(白いオオコウモリについては、本コーナーの過去ログ2003年11月をで御覧ください)。ヒヨドリは、完全な真っ白ではないものの、全体に白っぽくて、あちこちに うすーい茶色が混じっているかんじでした。興味深かったのは、白い袋、ハッポーなどなど、白いものの近くに寄る習性が見られたことです。

 悪天候による不時着と思われるシロハラミズナギドリが運ばれてきました。オナガミズナギドリの姿がぐんと少なくなるこの時期。入れかわるようにシロハラミズナギドりやオーストンウミツバメが姿を現します。特に1月から2月によく見られる(不時着個体も多い)のは、繁殖のための飛来期であると考えられますが、オナガミズナギドリと異なり小笠原における生態は、まだまだ不明です。この個体は怪我もなく天候回復を待って放鳥しました。オナガミズナギドリに比べると大変におとなしく、不時着後ネコにやられることもしばしばです。不時着すると建物の隅っこなどを求めて、よく狭いところに入り込みます。

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福島県鳥獣保護センター

12日夜、福島県鳥獣保護センターに無事到着したとの知らせがありました。おがさわら丸では多少の動揺があったものの、落ち着いた状態で竹芝まで到着し、その後のトラックによる約4時間の搬送にも堪えきったようです。脱水はあったようですが、大きな体調の崩れもなく、さっそく雑穀類を食べたとのことです。環境が大きく変化した際には、感染症等さまざまな余病が発生することがあるため、数日はその監視となるようです。なんとか、福島の気候に慣れてほしいものです。まだ終わったわけではありませんが、ここで第1段階(アニマルレスキューで言うところの一時救護)は終了です。
(株)小笠原海運、(株)日本通運ペリカン便、搬送に携わって頂いた皆様、現地救護をサポートしてくれた島の沢山の皆様に厚く御礼申し上げます。特に発見・救護に力を発揮してくれた島の子供達に感謝します。また、この冬一番の冷え込みとなっている休日の夜に、スタッフ全員でスタンバイして対処に当たって頂いている(きっと今も)、福島県鳥獣保護センターのみなさま、行政の垣根を越えて快く受け入れて下さった福島県庁の方々、小笠原支庁をはじめとする東京都の方々に、重ねて御礼申し上げます。
大型水鳥の救護から、遠隔地医療といえる島外との連絡・連携、島外への輸送等、すべてが試行錯誤でありましたが、これらはこれからも小笠原が、まだまだ蓄積していかねばならないことです。この貴重な体験を、近い将来、小笠原に設立されるべき(作られる・作れると信じます)施設、・・・・小笠原の野生動植物を調査・モニターし、保全し、そして救護や保護もしていく核となる施設・・・・・(仮称)小笠原ワイルドライフ・マネージメントセンターのための技術・経験蓄積として必ず生かしたいと思います。今晩は、みなさまへの御礼まで。
写真は、私が昨年5月に福島県鳥獣保護センターに勉強しに行った時のものです。本館の裏手に広い雑木林が拡がり、その各所に機能目的別に製作された多くのゲージや物置等が点在しています。

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本日出港のおがさわら丸

福島県鳥獣保護センター、小笠原海運、日通の全面協力、東京都からのサポート、そして何よりも沢山の島の人達の協力を得て、今日1月11日コハクチョウは1200km先の北の福島へ向かい出発しました。大型鳥類(しかも傷病鳥獣)を30時間以上かけて運ぶ例は多くありません。無事たどり着くことが出来るのか? 誰にもわかりませんが、あとは強運を信じたいところです。最初に確認された2003年12月 11日から丸1月後のことでした。


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