2006年

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ここはどこだ? はやくかえりたい・・・
byシロハラミズナギドリ

今日も朝から、オナガミズナギドリが来ました。ちょっとはやめの梅雨入り気配。この曇天・雨、ガス陽気が、いっそう夜間(外灯のある集落地)への迷い込みを誘発しているようです。無人島への不時着ならば、なんてことはないのだが、ここは車も、ネコも闊歩する世界。鳥にとっては大都会に迷い込んだも同然です。勝手がわからず、ヘタクソなヒョコヒョコ歩きで道路を横断したり、あるいは道路の真ん中でうずくまったり・・・。「鳥に国境はない」とはホント良く言ったものですが、野生動物には、人の世界(町も農園も道路)も、自然の世界も区別がありません。誘われれば迷い込むし、楽チンであれば、さらに何度もやってくる。区別して見ているのは人の方。人の世界ゆえに起きたことの解決には、人の知恵が必要です。

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いっちょ前に頭を掻いているイソヒヨヒナ。

降ったり止んだり、なかなかお天気に恵まれないGW。ちょっと残念。しかし、しかし、レスキューは例年のこの時期のごとく、ひたすらフル回転でござまーす! GWに入り、オナガミズナギドリ5羽、シロハラミズナギドリ4羽、メジロ・・・などなど大賑わい。外では、イソヒヨドリのヒナがまさに、ハイハイであたりを闊歩する時期。「誘拐(誤保護)されるなよ!」「うかつに地面に降りてネコに喰われるなよ!」「コンテナな工事配管なんかに巣をつくるなよ!」と気になりながら通りすぎます。ビジターセンター(BIO)で頑張ってくれたのでしょうか? 今年は今のことろ観光客による誤保護がほとんどありません! 素晴らしい。

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この時期、誤保護が多いイソヒヨドリのヒナ。

毎年GWと重なるこの時期は、イソヒヨドリやメジロなどのヒナが誤って保護される事例が発生します。巣立ちしたのに、まだまだヨチヨチ歩きのヒナが遠出をはじめ、気が気でない親鳥が、後をおってついてまわる姿に遭遇するのです。地面を歩くまだよく飛べないヒナに出くわすと、ついつい拾い上げる人も多いようなのです。でも、です。そもそもこの時期のヒナは日に何度も何度も親鳥に餌をもらわないと生きていけません。ですので、そのヒナが生きて歩きまわっているってことは、いるのです。かならず、近くに親鳥が。もし姿が見えなければ、自分(人間)が邪魔して、親鳥が近づけないのです。うっかり、持ち帰ったりすると、親鳥とヒナとをはぐれさせることになってしまい、このことからヒナの誤保護は「誘拐」とも言われます。どうしても、気になったら、ヒナをすばやく一番近くの木の枝の上に、そっと持ち上げ、静かにすばやくその場を立ち去る、これが一番です。
写真:特に、こんな鳥が地面をピョンピョンしているのを見たことがない観光客は、善意で連れてきてしまうことが多い。一度、親鳥とはぐれたヒナを無事に育て上げるのは大変難しい(撮影は昨シーズン)。

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すいすいと羽ばたきながら前に進むクロアシザシ
の飛び方は、オナガの集団に交じると際だつ。       
      (撮影は昨シーズン)

しばしのお休みでした。いよいよGWに突入。久々の大型連休もあってか、今日のおが丸は900人以上を乗っけてやってきました。残念ながら天候はいまいちで、なにやら梅雨入りの気配さえしてきましたが、お休みしていたこの1ヶ月に、オナガミズナギドリの飛来(繁殖のための)が本格化し、冬のわたり鳥の姿が、だいぶ減りました。最近、私は母島行きが多いのですが、オナガの大集団のほかに、ほぼ毎回と言っていいほど、少数ながらクロアシアホウドリの優雅なグライダー飛行を見ることができます(もうそろそろお終いですが)。また、一昨日には、オナガミズナギドリにまじり、クロアジサシの群れも見ることが出来ました。いよいよ夏の使者到来です。さらに、巣立ちの時期と関係が深いと考えられるこの時期特有の希少種、シロハラミズナギドリ、クロウミツバメ、オーストンウミツバメの保護も出ています。特に、シロハラは父島、母島で何羽も相次いでおり(電灯への激突、電線衝突による激しい裂傷など)毎年ことながら、なんとかしてやりたいと胸が痛みます。せっかく何ヶ月もかかってようやく巣立った島っこ(個体)であり、小笠原に子育てに来た親鳥なのですから。

 小笠原自然文化研究所は、4月上旬まで学会等で出張し小笠原を留守にします。傷病対応は、スタッフにより継続しますが、このコーナーは、担当の私が島に戻るまでお休みいたします。春を迎え、1日で真っ赤に日焼けするポカポカ陽気と、突風吹き荒れる荒天が交互に過ぎてゆきます。海上には、繁殖のために飛来した沢山のオナガミズナギドリが飛んでいます。