2012年

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硫黄島沖では、献花黙祷を捧げてきました。
バードウォッチャーも、島を観にきた人も
乗船客、解説スタッフ全員で手をあわせました。

硫黄3島クルーズでは、南北硫黄島での 島の景観、海鳥たち のウオッチングがあります。定期航路がない島々ですので、まさに千載一遇の旅、絶海の孤島相手ですので、毎年ちがった島の表情を見ることになります。でも、このクルーズは自然だけではありません。硫黄島も見ることができるのです。激戦地として有名な島ですが、それ以前に島民の暮らしがあったことはあまり知られていません。小笠原に住む者として、硫黄島の歴史と今を知って頂く機会は、とても大切なものです。

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この旅で 毎年お会いする クルーズ知人さん も増えました

観光にはあまり縁のない研究所ですが、この約10年、おがさわら丸の伊豆鳥島(アホウドリ)クルーズや、硫黄3島クルーズでは解説員としてお手伝いさせて頂いています。今年も、他のベテランスタッフたちとともに、船内講演や船上解説をさせて頂きました。

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朝陽の当たる船首マストに、アカアシカツオドリと
カツオドリ。3島クルーズらしい風景です。

6月末より、硫黄列島調査(無人島調査)に行ってきました。もどってすぐに、おがさわら丸硫黄3島クルーズで再び南下。すっかり硫黄列島漬けの2週間でした。それぞれスナップをご紹介します。

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6月に入りメジロやオガサワラヒヨドリの保護が相次いでいます。はっきりしない天気が続いてはいますが、小笠原はもう梅雨明け時期、初夏なのです。メジロやヒヨドリの保護がこの時期に多いのは例年のことで、そのわけは、巣立ちの時期をむかえているからです。まだ、おぼつかない若鳥たち。巣から落ちたり、巣ごと落ちたり・・・・ハイビスカスの垣根から垣根へ、道路を横切るときに車にぶつかったり、平気で車道に降り立ち、街中のネコにちょっかいを出されるのもこの時期です。

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ガラス窓にのこる衝突痕

アカガシラカラスバトのバードストライクがおきました。残念ながらぶつかった個体は死亡しました。産まれて1年以内の若い鳥でした。山域のノネコ捕獲が進むなか、この3年ほど、これまでまったく見ることのできなかった、まだ頭の赤くない若鳥(クロポッポ)が、見られるようになりました。父島の山域での繁殖も確実に手応えのあるものになってきています。集落地域におけるガラス衝突、ネコ襲撃、交通事故は、もともと多くの野鳥が直面している問題でした。アカガシラカラスバトが増える ということは、沢山いる他の鳥と同じ脅威にさらされる確率も、また高くなる ということかもしれません。