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黒褐色部分が目立つようになった

運ばれてきたときは「まっ白」というイメージだったガーコ(カツオドリ)ですが、だんだんと黒褐色の部分が増えてきました。これは白い産毛の下に、徐々に成鳥羽がそろい始めている証拠です。背中や、翼角、それに嘴の届く下腹などが、特に「ゴマシオ模様」が目立ちます。額の生え際にもきれいな黒い縁取りができました。産毛か、成鳥羽の出始めがかゆいのでしょうか。さかんに、嘴で浮きぎみの産毛を引き抜くようにする仕草がよく見られるようになりました。小笠原の島々でカツオドリの巣立ちが始まるのは、はやいものでは9月末くらいからです。

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車にひかれたメジロ

最近、梅雨開け後に巣立ったメジロ、ヒヨドリをよく見かけます。尾が伸びきらず、体型も「丸っこく」、見るからにヒナという奴、見かけは成鳥と変わらないのに、ピーピー必死に鳴きながら親鳥を追いかけている奴。みんなまだまだ半人前(餌とりも飛ぶことも)で、ドジを踏みながら成長していく時期なのです。さて、この時期、実を付けているガジュマルやクワノキがあります。鳥にとって最高のレストランですが、同時に危険な場所にもなるのです。夢中になって、地面に落ちた実をついばむ時に悲劇は起こります。写真は、そんな時に車にひかれてしまったメジロです。また。レストランに入ろうと、低く低く道路を横切り飛ぶために車とぶつかる鳥もいます。道路近く、特に曲がり角にあるガジュマルなどは要注意です。鳥との交通事故は決まった場所で集中して発生することが多いのです。鳥の鳴き声や、路面の汚れで、「あ、いまこの木は実がなっていて、鳥が沢山集まっているな」と気付いたら、スピードを落として安全運転を!
※ガジュマル(の実)には、メジロ、ヒヨドリ、トラツグミ(実およびミミズ)、メグロ(母島)、アカガシラカラスバトなどがやってきます。特にアカガシラカラスバトが神出鬼没になる、夏から秋にかけては、町中や主要道路近くであっても注意が必要です。

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「放鳥だ、さあ飛んで行け!」

メジロ兄弟と時をおなじくして、相次いで3羽のヒヨドリが運び込まれました(このうち1羽は以前このコーナーで写真で紹介)。今年は、メジロやヒヨドリなどで、梅雨の前後に2度のはっきりした繁殖が認められ、8月後半の今も、巣立ちヒナがあぶなっかしく飛ぶ姿を見たり、懸命な鳴き声を聞いたりします。当研究所に持ち込まれ、手続きをとって放鳥を目標に保護を開始した3羽のヒヨドリも、誤保護1(過去ログ「巣立ちヒナを見つけたら、どうする?」参照)、ネコに襲われているところ救助1、建物への激突1の内訳で、いすれも巣立ちヒナか、梅雨前に巣立ったと思われる若鳥でした。結果は、1羽が放鳥、1羽死亡、1羽行方不明(おそらくノラネコにより捕食)と厳しいものでした。今年はこれまでになくヒヨドリの巣立ちヒナを多く見るように思います。繁殖数、そして死亡するヒナの数も、もしかしたら多いのかもしれません。

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メジロ兄弟 放鳥前 写真撮影H.C

7月に保護され、一時父島でのリハビリの後、故郷母島へ戻り最終訓練中とお伝えしたメジロ兄弟ですが、先週無事母島で放鳥されたとの連絡がありました。すっかり羽根も生え揃い立派に成長した放鳥前の写真が送られてきました。心配された足の具合も良くなり、ともにそれぞれ右足に赤、青のリングをつけてヤブの中へ飛んでいったそうです。この兄弟の一時飼養・放鳥までは、母島・父島の多くの方々のご協力によりなされました。みなさんお疲れさまでした。自力での餌とりも覚えているので、怖いのはノラネコだけですが、なんとかたくましく生き抜いて欲しいものです。(リングメジロを目撃したら、当研究所までご連絡を!)

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保護されたガーコ その後

「カツオドリ」が、この鳥の和名です。もともと小笠原での呼び名は「オサドリ」で、鳴き声から「ガーコ」という愛称もあります。さて、その「ガーコ」のその後。今が旬のムロアジをたべはじめてから、すっかり見違えるほど元気になった「ガーコ」。保護場所にもなれ、落ち着いて羽繕い(産毛のお手入れ?)をし、また、尾を上げ、頭を下げて低い姿勢をとったかと思うと、ピューッと超強力水鉄砲のごときフンを飛ばしています。ヒナらしく、あたりへの好奇心も旺盛で、盛んに草や木の枝などを、引っ張ったり、持ち上げたりと遊びながら、次第に、クチバシの使い方が上手になっていくようです。