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翼を閉じるとオーストンと見分けは付かない

小笠原群島界隈まで北上すると、よく似たオーストンウミツバメが繁殖しています。夏ともなると、独特の軽やかな海上飛翔を見ることができます。翼を開かない状態では、クロウミツバメとオーストンウミツバメとの判別は難しく、やはり飛翔中の白斑が唯一の目印になります。陸鳥でいうならば、ハハジマメグロと同じ、小笠原固有の海鳥ながら、その生態や現在の繁殖地などはまったく謎に包まれており、一刻もはやい本格的な調査が必要な種類です。保護鳥は無事に放鳥されました。

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翼の白斑が目印

「今年は小笠原も暖冬だ。」そんな声が聞こえていた2月は半ばすぎ、珍しいVIPが保護されました。クロウミツバメです。翼を伸ばした際に、羽軸の基部が白く見える(白斑とかスラッシュなどと言われる)ことが特徴です。海鳥としては大変に珍しい小笠原固有種です。これまでの繁殖地は南北硫黄島のみです。1990年代末に行われた北硫黄島における調査(山階鳥類研究所が約1ヶ月滞在)では、繁殖地が見つかりませんでした。この時に、外来哺乳類であるネズミ類が確認されたことから、繁殖地への影響が懸念されています。一方、南硫黄島では25年前の学術探検隊の入山以来、上陸がないため、現在の繁殖状況は不明です。

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プレイバックをへて、ようやく今年になりました。
毎年珍鳥が続くお正月ですが、今年は定番でした。暖冬にもかかわらず、数はすくないながら、やってきたのはオオセグロカモメでした。成鳥、若鳥にかかわらず、毎冬、父島や母島にはオオセグロ、セグロ、ウミネコなどが姿を見せます。そう言えば、年末から父島ではトンビにオジロワシも観察されています。オジロワシは以外な冬の小笠原の定番です。

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オオバン、バンは数は少ないながら旅鳥の定番だ。

2006年12月8日12クイナ騒動がありました。キャタピラのような ごつい足。運ばれてきたのはオオバンでした。毎年。父島や母島の川岸にやってくるこの鳥。どのように渡ってくるのでしょうか。痩せて、消耗しきった旅鳥を助けることは出来ませんでしたが、つくづく自然の営みの不思議さを思わずにはいられませんでした。

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毎年見られるシメ

2006年11月末には、シメがやってきました。残念ながら落鳥してしまいましたが、ほぼ毎年冬に見られるこの鳥は、きまって絶滅してしまったオガサワラマシコの幻を一瞬だけ見せてくれます。もしも、オガサワラマシコが生きていたら、その後の外来植物の繁茂によって、大きく変わった林相とともに、もしかしたら嘴の形状に分化が見られていたかもしれない!?、などなど・・・・イメージがないと普段はなかなか空想さえできないことも、でっかい嘴で夢見させてくれました。