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聟島列島では、アホウドリの人工繁殖地をつくる取り組みが続いています。伊豆鳥島を舞台にした、奇跡の復活といわれるアホウドリの保護研究の取り組みを受け継ぎ、火山島である鳥島と国際紛争の場である尖閣諸島のみで繁殖するこの鳥の未来を確保するために、第3の安全な繁殖地を人為的につくる必要性が生じ、かつての繁殖地である小笠原諸島に白羽の矢がたちました。小笠原自然文化研究所(IBO)は創設から5〜6年の期間、2000年に飛来を開始した1羽のアホウドリをモニターし、また、すでに繁殖しているクロアシアホウドリや、コアホウドリの生息状況の情報を、リカバリーチームに提供するなど、小笠原諸島のアホウドリの復活のための下地づくりに駆け回りました。戻ってきた1羽から、もう一度アホウドリのいる小笠原の夢の実現をーーと開催した 最初の企画展は、いまから10年以上前のこととなりました。「繁殖地形成プロジェクトを実行する場合に、荷揚げはどうなるか、滞在はどうなるか、人やヒナやデコイの非常時の緊急避難はどうなるか」などを、ひとつひとつの島ごとに細かく検討したことが、懐かしく思い出されます。鳥島から輸送した後、人工飼育したヒナの巣立ちや、巣立った鳥の回帰など、すばらしいニュースが続く、アホウドリプロジェクト http://www.yamashina.or.jp/hp/yomimono/albatross/ahou_mokuji.html。
回帰個体の繁殖という夢の実現を期待し、陰ながら応援したいと思います。
さて、IBOでは現在も、先輩の2種、クロアシアホウドリとコアホウドリの生息調査を継続しています(東京都小笠原支庁との協力事業)。とくに、コアホウドリと聟島鳥島や、新規拡大している島々のクロアシアホウドリには、カラーリングを装着し、その動向をモニターしています。

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春になり、ミズナギドリ類の不時着鳥の保護が続くなか、とてもとてもレアな海鳥の保護がありました。クロウミツバメです。海鳥類は、海洋の広い範囲に生息していますが(生息分布)、繁殖地も広域な島々にまたがっている場合がふつうです(繁殖分布)。しかし、このクロウミツバメは、小笠原諸島以外での繁殖が確認されていません。海鳥では珍しい小笠原固有種なのです。この時期、小笠原諸島海域では、形態が良く似たオーストンウミツバメも観ることができますが、クロウミツバメの特徴である初列風切の羽軸の白がよく目立ちます。

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Bonin Petrelの英名を持つシロハラミズナギドリの保護が続いています。夜間活発に飛行して、光に集まる習性があるために、30以上の島々からなる小笠原諸島では、人工照明のある有人島に誘引され、不時着、激突をする事例が発生します。集団での飛来時期や、ヒナ鳥の巣立ち時期に、この傾向が強くなります。また、「カメ陽気」とも呼ばれる、春先の海にかかる濃い霧は、人工光を反射して、海鳥を、より呼び込んでしまうようです。

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2007年の南硫黄島学術調査における
シロハラミズナギドリ繁殖地の様子

春になりました。オナガミズナギドリの飛来も、いよいよ本格化してきているようです。すでに数件の不時着鳥の保護がありました。そんな中、夜に連絡あり、現場にいくとBonin Petrelの英名を持つシロハラミズナギドリでした。戦後は南硫黄島で繁殖が確認されているのみの稀少種です(群島では、繁殖地が確認されていない)。南硫黄島では、標高400m以上の森林の林床に穴を掘り、密集して大繁殖地をつくっています。飛び立つ際に、羽ばたきながら木を登り、登った先から飛び立ちます。

Thanks Candy、chichi-pen、beer-man2、yu-ko_san

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3月下旬に父島列島南島でツル目撃の情報がありました。気にしていると、連絡が入り、31日に父島前浜(大村海岸)付近で確認することが出来ました。ツルはナベヅルでした。日本最大のツルの越冬地となっている鹿児島県出水市では、すでに北帰行が2月より始まっていましたので、その帰路に、まさに迷行しての飛来だと思われます。ナベヅルの飛来は、2002年12月-翌1年の事例以来(詳細は、本コーナーの左にあるナベヅルボタンクリック!)、8年ぶりの出来事となりました。明るく咲き乱れるブーゲンとナベヅルの景色は、なんとも不思議で楽しいものでした。上記の鹿児島県出水市では、昨年の12月に高病原性鳥インフルエンザに感染したナベヅル数羽が確認され、一万羽以上にもなるツルたち(ナベヅル、マナヅル、クロヅルなど)への影響が大変に心配されていましたが、大きな被害に至らずに済んだようです。なお、南の島のナベヅルくんは、北へ飛び立つことなく、残念ながら小笠原で死亡しました。