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Phot by Ryo.I

昨日お知らせしたコシジロウミツバメ。体調を整えた後に、復路のおがさわら丸で伊豆大島沖での放鳥となりました。放鳥は、お仕事で来島中だった動物のプロと、プライベートで上京予定の島のガイドさんにお願いしました。速力のある船からの放鳥は意外に難しいのです。セオリーに従い、また臨機応変に、完璧な放鳥でした。どうもありがとうございます。幸運なウミツバメでした。Good Luck!

Special Thanks Y.TADA&H.FUJITA(JWRC), Ryo.ISHI(小笠原自然探検隊ONE)、Hayato.C,小笠原海運株式会社

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台風の荒波をこえて入港したおがさわら丸に、珍しい乗船客がおりました。事務所に運び込まれた茶色い小型鳥、アナドリか? あら、ウミツバメだ・・・、じゃ、オーストンか、早いなぁと思い、よく観察するとコシジロウミツバメでした。夏に太平洋や大西洋の北方で広範囲に繁殖します。国内では北海道の大黒島や、岩手沖の三貫島が集団繁殖地として有名です。入港後に甲板で発見されています。台風の暴風に巻き込まれ、小笠原沖まで飛ばされて、島の近くで御乗船されたのか、あるいは、時化の伊豆沖で運良く船の隙間に潜り込み、朝に穏やかになってから、甲板にお出であそばしたのか、はて、どちらでしょうか。いずれにしても運の良い鳥です。

Thanks 小笠原海運株式会社

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8月初旬、まだ綿毛・黒玉のヒナでした
3ヶ月かかって 今巣立ちを迎えてます

今年は、全国的に台風年となりました。6月中旬から、太平洋上のどこかに台風があることが多く、とくに9月から10月にかけて沖縄を席巻したいくつかの台風は、まさに記録的なものでそた。沖縄の先輩、知人、友人達、生きもの達のことが心配でした。小笠原でも7月末頃から近海の通過が続きました。幸いに、直前でコースがかわったり、勢力が落ちたり、直撃時の被害を知る人たちは「助かった」と胸をなで下ろしていました。生き物には、タイミングというものがあります。台風被害でも、これが重要になってきます。のらりくらり と言いましょうか、なんとか、ギリギリでかわしてきた感じの今年の小笠原でしたが、10月に入ってからの複数台風での大時化に、アナドリの巣立ち時期が完全に当たってしまいました。不時着や、港付近で溺れかけた個体の救護が続いています(なぜ、港湾の波打ち際で多いのだろうか?)。尾翼が伸びきらないものも多く、巣立ち直前に飛ばされた可能性もあります。アナドリの巣立ちは例年10月中旬から下旬まで続きます。島のみなさま、ぜひ、ご注意を。

Thanks  多くの島の皆様

白色系のアジサシ類と、小型のカモメ類の目撃が、二見湾内や八瀬川などで続いているようです。母島ではハジロクロハラアジサシが確認されたようです。シギチにも見慣れぬ輩が交じっております。父島では、VIPレスキューが続き、まだフィールド各種の同定に至っていません。それにしても、普段はお目にかかれない旅鳥・迷鳥ラッシュの気配。台風後ならでは! 今年は多いかもね。 Thanks Maikou. Kazuo.M.Jyu-Jyu

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クサトベラ、モンパノキは彼らの餌木になっていた

孵化して半年頃まで、まだ幼羽が多いアカガシラカラスバトは、発色が悪く、頭も赤くありません。この夏には「あれ、赤くないねぇ」という声もチラホラ。
島の子どもはよく見ていて「クロポッポ」と呼び始めました。そう、この夏話題になったアカガシラカラスバトは、調べてみると、そのほとんどが今年産まれの若鳥でした。それともう一つ、初夏には「アカガシラカラスバトが集落に出た、人里に降りた」という声がきかれました。街中のガジュマルに飛来した、畑の果実の種子を食べに来た、というわけです。たしかに最初はそうでした。
しかし、ガジュマルの種子がなくなっても、彼らは出現したのです。はりついて観察をつづけると、何種類もの在来の海岸林植物の種子や、芽を食べていることがわかってきました。バラバラにおもえた出現各所の共通項が、急速に見えはじめました。クロポッポたちは、海岸林やその分布域に出てきていたのです。