最新情報

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写真は8月下旬 薄明薄暮の道路脇

アカポッポは、その後も出続けています。そして、心配されていたことがおこりました。まず、建物への衝突。ハトやトラツグミのように、羽ばたきが強く、瞬発力がある鳥では、とくにガラスやネットなどへの衝突が起きやすいのです。それでも、アカガシラカラスバトは、大変に数が少ないので、過去に1度、母島で電線に衝突死した事例があるのみでした。建物で2例目、3例目が発生、1例は死亡しました。また、交通事故も複数発生しました。近くに餌がある状況で、道路を低空で横切った、あるいは路上でひかれたものでした。ネコには公園で襲われました。アカガシラとネコのニアミス事例は、何度も繰り返し確認されました。建物、車、ネコ。このコーナーで10年来、あつかってきた海鳥のレスキュー要因そのものであり、人の活動域内でこれまでもずっとおきてきた、予想された事例とも言えるでしょう。

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写真は昨シーズン調査時のもの.
羽ばたき練習をするクロアシアホウドリのヒナ

クロアシアホウドリが海上を飛行していた という情報を、東京都水産センターの調査船・興洋と、小笠原ホエールウォッチング協会から頂きました。巣立ちは6月頃。巣立ち個体がうろついているにしては遅い。飛来は10月下旬から。回帰個体にしては早い。今年は初夏まで海水温があがらなかったり、台風がうろついたり、いつもと違うことが多そうな予感です。ひょっとすると多彩な旅鳥が期待できるかもしれません!?

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この夏の主役は、まだ十分に
発色していない若鳥たちだった

2012年の夏は、アカガシラカラスバトの絶滅回避を考える上で、エポックとなりました。本コーナーや「ねこ待ち通信」にあるように、絶滅危惧種のハトたちが、何羽も、そして連続して出現したのです。実はごく少数の個体が、夏に集落や畑に出る現象は10年前から観察されていました。しかし、あまりにも数が少なすぎて、出現の傾向を分析するまでには至らなかったのです。それでも少なくとも父島では、ここ3〜4年、確実に夏の情報は増えていて、それがこの夏で花開きつつある・・・そんな様相です。観ることの出来なかった絶滅危惧鳥を観ることができる、これは素晴らしいことです。この夏、沢山の島民が自分の目で、幻のハトを確かめることができました。嬉しかったのは、お母さんと子ども、お父さんと子ども、おばあちゃんと孫、子ども同士などなどで、しゃがんで静かにハト観(ハトミ)を楽しむ姿が見られたことです。その日の夕ご飯では、アカポッポが話題になったに違いありません。(つづく)

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すこしばかり季節外れのシロハラミズナギドリ。6,7月に巣立っていれば、もうこの海域にはいなくても良いのですが。夕方に街の灯りが見えない浜辺から放鳥しました。

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木陰で憩う若鳥3羽

この夏、アカガシラカラスバトが父島に出現しています。6月末からチラホラ目撃情報がありました。これは、例年通りのこと。しかし、今年はどんどん増えて、ずんずん続いて・・・真夏の強い日射しの元、情報は増えるばかり。ガジュマルや畑の作物(捨て物)に姿を見せる例年のパターンから、大きくはみ出し、それらの対象がなくなっても・・・台風が、2,3通過しても、それでもやっぱり、出続けております。大きな特徴は、集落、畑含めて、標高の低い場所での出現が多いこと。山奥で鳴き声が聞かれる冬とは様相が異なるのです。このコーナも気がつけば10年以上続けてきましたが、再三ご紹介していきた人の活動域におけるレスキュー事例、ついにはアカガシラでおこることのないように祈るばかり・・・・。しかし、そればかりではどうにもならんので、連日モニターし、さらに危険をみつけ、さまざまな人達に相談をしながら対応を進めているところです。ハト情報、島のみなさまには、10年来お世話になっておりますが、レスキュー的救急連絡でなくても結構です。ドシドシIBOまでお寄せください。